*LONG STORY 2*

□5.先走るのは気持ちばかり
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「えっ?今年は
ステファニー
ホグワーツに残るの?」

「うん」

「トリントも帰るのに?」

「うん」



ミアンダもエステルも
やっぱり意外そうな顔で
そう言った。
仲の良い二人もいない、
彼氏だって帰る、
そんな中で残ろうとする
私の考えがまるで
理解できない様子。
確かに私も理解できない。
だけど、衝動的に
書き込んだ名前の原因は
二人には言えなかった。



「休み明けに試験が
あるでしょ?
図書館で勉強しないと
私やばいんだよね」



苦し紛れの言葉を
ミアンダとエステルは
文面どおり
受け取ったらしい。
私の試験結果が悲惨なのは
二人も承知済みだ。
エステルは寮の中でも
トップクラスの秀才だし
ミアンダも人並みに
勉強出来ているから
そんな必要ないんだろうけど、私はそれこそ
休暇をまるまる図書館に
費やさなければ
いけない程に成績不振だ。



「そういうことなら
仕方ないわよね、うん。」

「そうだね、可哀相。
クリスマスプレゼントは
ちゃんと送るから。」

「ありがとう。
私もちゃんと送るよ」



さて、どうやら私の休暇は
勉強三昧で
決定したらしい。
ここまでおおっぴらに
嘘をついた以上は
それなりに点数取らないと
示しがつかないもん。




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