*LONG STORY*

□3.与えられた選択権
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「一年生はアルファベット順に
並びなさい!私語は無し!!」



きびきびした声に促され
新入生は急ぎ足で
整列しようと躍起になった。
自分の前後の人に
名前を確かめる声が
あちこちから
小さく聞こえてくる。



その声がようやく
聞こえなくなった頃
厳しそうな女性が
咳ばらいをして話に入った。
どうやら先生らしいが
レナの頭の中で
この女性は驚くほど
ライラと被った。
見本を見せてもらって以来
一度も顔を見なかったが
すぐに帰ったのだろうか…



「それでは今から
大広間に入ります!
お行儀よくしているように!!」



新入生の背筋が
急にぴんと張り詰めた。
双子のウィーズリーを含めた
何人かは動じていないようだ。
笑顔さえ浮かべて
堂々と扉をくぐった。



くぐって最初に
目に入ってきたのは
豪華な造りの大広間。
次に割れんばかりの
拍手を送る上級生。
そして、少し先にある
みすぼらしい帽子だ。



「組分け帽子だ!!」



誰かが声を上げたのが
しっかり聞こえてきた。




























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