*LONG STORY*

□5.売り込みはお任せを
1ページ/10ページ




「「いいかい?」」



誰もいない屋上で
どこか幼い張りのある声が
響き渡った。
打ち合わせしたかのように
息もピッタリな双子が
悪友と一人の少女を
囲んでいる。



「人気者になるには
まずは注目される必要がある!」

「あー…うん。
何もしなくてもすでに
悪名は張り付いてるよ。」



レナは
半ば投げやりに言ったが
フレッドもジョージもリーも
顔を見合わせて
ニヤリと笑った。



「知名度があるのは
いいことさ!
注目されるための努力が
必要ないからな!」

「それに悪名っていうのも
好都合だ!
ちょっと良いことしとけば
かなりの良い奴に見える!」



フレッドもジョージも
自信満々にそう言うが
レナの表情は
あまり冴えない。
リーが彼女の肩を
軽く叩いた。



「大丈夫!上手くいくさ!」

「や、別に信用してないわけじゃ
ないんだけどね」



後は私の問題で、と
付け足してから
レナは大きく
身体を伸ばす。



吹き抜ける風と
暖かい日光、
そして何より
気の合う仲間のおかげで
とても気持ちのいい昼だった。













































【売り込みはお任せを】
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ