*LONG STORY*

□7.我が儘な矛盾
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「やあ、お姫様!」

「お、おはよう」

「元気かい?お姫様!」

「あはは…まあ。」

「これはこれは!お姫様!」

「…あーー…ハハ。」



例のお姫様宣言以来
レナへの
周りからの態度は
ほぼ一変した。
視線は相変わらず集まったが
今は嫌悪ではなく
好奇の眼差しである。
囁くような陰口は
もっぱら噂話になり、
彼女は茶化されるように「お姫様」と
呼ばれる羽目になった。



しかし、それでも
変わらなかったこと。
それは、いつも彼女の隣にいる
三人の姿だ。



その三人と一緒に
城を飛び出して湖畔で
昼食を食べている時
レナが不意に呟いた。



「人間ってすごいね。」

「何だい?急に」

「あの計画一つで
みんな変わっちゃった。」



恐いくらいだよ、と
ぼやくレナを
三人は笑った。



「それは違うぜ?」

「そうとも!」



フレッドとジョージは
サンドイッチの
おかわりを選びながら
ニヤリと笑う。
相変わらず
息の合った掛け合いだ。



「すごいのは人間じゃない」

「「俺達だ!!」」



冗談なのか本気なのか
そう言い切る二人に
レナとリーは
わずかに顔を見合わせて笑った。











































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