*LONG STORY 2*

□8.アンコールは閉幕から
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終わらせなきゃいけない
って思った。
さすがにトリントも
気付いたと思う。
もう、中途半端じゃ
いられなくなった。
だって…私の気持ちは
信じられないほど
はっきりしているから。





今一番、困惑しているのはきっとトリントだ。
私じゃない。
だから、寮のベッドで
突っ伏すより
もっとやるべき事が
あるはずなのに。
動かない、私の身体。





休暇明けの初日に
こんな事になって
トリントは
どう思ってるかな。
もういよいよトリントも
私に呆れたかもしれない。
別れたい、って
思ってるかもしれない。
それを都合が良い、
だなんて思ってる私は
すごく性格悪いけど。





そんな時、
窓を叩くような音が
聞こえてきた。
私は何となく
その音の原因に
察しが付いた。
窓の方に歩いて行けば
やっぱりそこには
学校の梟がいた。





手紙はトリントから。
いよいよこういう瞬間を
体験するんだな、
なんて考えたら
急に息苦しくなって
何だか泣きたくなった。
恋しいからじゃない。
きっと罪悪感と自己嫌悪。





私はその手紙を握りしめて
指定された教室に
向かった。






















































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