傷恋の蓮

□憧れる普通の生活
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『煽桐』の名が有名なのは、先祖にある。
僕の先祖は代々と神に仕える巫女家系と言われているが、本来は女神(にょしん)。
一応、神族には属しているそうだ。

そして、煽桐の家系は女系だと言うこと。男児は千年に一度しか生まれてこない。
千年に一度しか生まれてこない男児は、とても貴重な御子として大事に扱われる。
何でそんな風な遺伝なのかは知らないが、歴史的には古く、近いといえば平安時代初期だと老婆達が教えてくれた。

で、神聖な男児は必ず“強い霊力”を持って生まれてくるらしい。
良い見本は正に、僕だと思う。
煽桐家始まって以来の強い霊力を持っていると皆が口を揃えて言う。


僕が生まれてくるまで千年。
その間で生まれてきた男児には、ある程度の霊力はあったが、僕ほどではなかった。
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