傷恋の蓮
□木漏れ日の隠れ家で…
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神のお言葉に…
意のままに。
それが、煽桐に生まれた宿命。
愛してもいない女との間に世継ぎを作る事すら躊躇いすら感じなかった。
――…彼に出逢うまでは
女系の家系で女が有利である時代。霊力だけ強くとも、所詮は種を与える存在でしかない。
千年に一度…
神が、煽桐家に与えた罰だった。
ゆくる時空を越えても…
彼に翻弄されたいと願った。
巡る宿命に泣かされても…
あの人に…
―――…逢いたい。
小さな菫が咲き乱れ、綺麗な泉に咲く蓮が一輪。
尚も…
待ち続けている。