『recollection』ー桜雷に涙の雨降れたり

□第七章:眠れぬ夜に…(後編)
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―――天神界・レイ・光皇城


「父上、どいゅう事か説明して下さい」


頬に涙を伝わす女性が、卯月に問う。


「何故…華簾牙が……っ」


「許せ…風荻」


眉を寄せ…悲しい表情を浮かべる。娘は、息子の死を知り…涙を溢れさせていた…


「風…少し休まれて下さい」


「…っ、ぐっ…華簾牙ぁぁ…」


「さぁ…風…」


棺の中で眠る華簾牙に抱きよる風荻の肩を掴み、輝奈が立たせた。
卯月は…孫の死に顔を目に妁きつけながら小さな声音で謝る。





「すまぬ。威吹…風荻っ」



護りきれなかった悔しさが甦る。


孫から目を離さなければ…


手を握っていれば…






「華簾牙は…死なずに生きていた」
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