短編集

□オトギバナシの悲劇
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『ツナ…ヨシ…』



むかしむかしあるところ、暗い暗い森の中、辺りを照らすのは暗闇にぽっかりと穴をあけた満月の灯りだけでした。


森の中に、イタリアンマフィア、ボンゴレファミリーの紋様のついた黒い棺が1つ。



そしてその横には、泣き崩れる女が1人。


それはそれは美しい女でした。



『ツナヨシ、なんで、』




女は棺の中の男に問いかけます。


男はそれに答えることはありませんでした。


答えてはいけなかったのです。



男は女にとって大切な人でした。


女は男にとって大切な人です。



ある夜出会ったふたり。


名前もなにも知らない、マフィアのボスと、一般市民の出会い。



女は彼がマフィアのボスと知っても、深く深く愛していました。


男は彼女を自分がマフィアだということで傷つけるのをひどくひどく恐れていました。




『いまいくよ。ツナヨシ』





愛し合っていたふたり。




でもマフィアのボスは命を狙われ、銃で撃たれて死んでしまいました。



女はひどく悲しみました。



つらくてつらくて、涙がからからになるほどに泣きました。



そして、満月の夜に、毒を飲んで、男の棺に寄り添うように死にました。






『私の未来にもう色は無いわ』

















男は目を覚ましました。


そう、男は死んではいなかったのです。



ほんの少しだけ、長い眠りについていただけだったのです。




男は自分に寄り添う女を見て、嘆きました。




「どうして……!!」




男はひどくひどくひどく悲しみました。


つらくてつらくてつらくて、声をあげて叫びました。




でも男は生きました。


それは彼がマフィアのボスだからです。




男はきっと女のことを忘れません。
















むかしむかしあるところ、暗い暗い森の中、辺りを照らすのは暗闇にぽっかりと穴をあけた満月の灯りだけでした。



森の中に、イタリアンマフィア、ボンゴレファミリーの紋様のついた白い棺が1つ。




そしてその横には、佇む男が1人。





「どうして、なんで、」



男は棺の中の女に問いかけます。


女はそれに答えることはありませんでした。





女は男にとって大切な人でした。


男は女にとって大切な人でした。



ある夜出会ったふたり。



愛し合っていたふたり。




でも美しい女は毒を飲んで、自ら死んでしまいました。



男はひどく悲しみました。



つらくてつらくて、涙がからからになるほどに泣きました。



それでも男は生きました。
















「俺の未来は、何色かな」




















*あとがき*

あれ、ロミオとジュリエットってジュリエットが死んだ振りしてたよね…。


なんかこれ書いたとき、心境的に病んでました。

なんも意味なくただ泣いてた意味不明なときに書いた。

暫くして修正したら誤字脱字が多すぎて焦りました。
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