BASARA 短編集

□半分こにした手袋
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*元親視点*











ただひたすらに降る雪を見詰めながら、歩いていた。


降り積もった雪を踏みしめて、ふと思ったことを口に出す。

「さみぃな…」

そう言うと、隣を歩く彼女は、そう?と笑う。


『寒いのって、あったかいものをあったかいって思えるから、好きだな』

目の前に突き出された絡み合うおのれの手と彼女の手。

見ると彼女は微笑んでいて、その笑顔にこたえるように笑う。


静かに流れる時の中で、静かに彼女を思った。

『隙ありっ!』

突如言われた言葉にハッとすると、彼女が冷え切った手を俺のうなじに当てていた。

外気に触れているのに温かいそこに触れた手のひらは、冷たいはずなのに、温かさを感じた。


「確かに、あったけぇ」

そう呟くと同時に抱き締めてやると、恥ずかしそうに笑う彼女がいた。















*あとがき*

雪の降る日に、カイロを握り締めていて思いついた作品。

実際管理人は寒いのはあまり好きではありません。
なんたって管理人は体温が基本的に高いから周りにカイロにされるんですもの。

寒いのはみんないっしょ。




微妙に季節はずれΣ( ̄□ ̄)!
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