サブ革!
□ 1時間目
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★サブ革★
1時間目
(キーンコーンカーンコーン♪)
こく:…あれ?なんかアトさん…オシャレですね。どうしたんですか?
こくが『教科室』にはいると、
そこにはいつもよりオシャレなアトさんがいた。
髪のボサボサぐあいはそのままだが・・・。
アト:あっ!気づいた?
実は、「サブ革」記念すべき第一回目ということで!!
少しばかり、おめかししてみたわけや。
こく:へー。
僕もハロウィンとか着てこればよかったですかねぇー?
アト:…なんでハロウィン?…なんや。
ヴァンパイアとか着るんか?
自分、似合いそうやしな。
こく:あははは、まさか。
ハロウィンといえば『かぼちゃ』ですよ。
この前、一目で気に入って買ったんですけど、「キグルミ」。
中がとっても暑いんですよねぇー。
アト:あー、わかるでぇ。
そういう時、遊園地のキグルミの中の人に
同情するんだよなぁ。
こく:あっ、えっと…それはひとまずおいといて…。
なんでアトさん、チョウチョの髪留めつけてるんですか?
・・・いや、カワイイですけど。
アト:はぁー。やっと気づいたかおまえ。
実は密かに待ってたんやで?
はやくツッコンでくれんかなーって。
こく:えー、なんか…すいません。
アト:いや、別にいいんけやど。
ほかには?
何か気づかへん?
こく:そういえば、
…クモの形のネックレスしてますね…。
…あっ、いえ。カワイイですよ?
アト:そやそや。
クモのネックレスしとんのや。
こく:あのー。
・・・その髪留めと、ネックレスの関係性がいまいち、
わからないんですが…。
あっいえ、カワイイですけど。
アト:いちいち『カワイイ』をつけんくてもいい!!
おまえ、それでわいが喜ぶとでも思っとんのか?
ってか基本、男は『カワイイ』で喜ばへんと思うんやけど・・・。
こく:あっ、それ!
最近ハヤリの「ツンデレ」ってやつですか?
そういうところも、カワイイですよ?
アト:なッ!(照)なんでやねん!!
・・・ゴホォン!…つッつまり、
わいが結局なにをいいたいんかというとやな・・・
そういうとアトは、
ワイシャツのボタンを、一つずつ外していった。
「なっなにをするんですか!?」
と
こくが手で目をおおうと、
アトは最後のボタンを外しおわり
いきおいよくシャツを脱いだ!!
アト:おい、見てみ。
こくが完全に目をおおっていた手を
ゆっくーり、外すと・・・
こく:…なんですか?それ…?
そこには、巨大なカメレオンがプリントされたTシャツを着たアトがいた。
アト:この意味を聞きたいか?
こく:はい。ものすごく…。
アト:エッヘン。名づけて…!!
「1人食物連鎖」
だッ!
こく:…。
アト:どうだ?
解説しよう。
アトは、こういいたいらしい。
クモがチョウチョを食べて、
そのクモをカメレオンが食べることによって完成する
『食物連鎖』
をオシャレで表現したらしい。
アト:なんや、自分。
ポカーンと口大きく開いて。
あっ、そうか。あれだろ、
「カワイイ」
にあてはまりすぎて驚いてんのやなぁ。
アトは、少しニヤケながら、こくの顔をうかがった。こくは、「カワイイ」という単語を聞いた瞬間、正気にもどった。
アト:どうや?
すばらしく芸術的で、まさに
「カワイイ」やろ?
記念日にふさわしいとは思わんか!!
こく:・・・いえ、ぜんぜん。
髪がボサボサなのにチョウチョの髪留めをつけている人や、
ハロウィンでもないのに、クモのネックレスをつけている人を、
「カワイイ」
と思うこくですら、
『食物連鎖』は受け入れられなかったのであった。
しかし・・・
(ガラガラガラ)
とく:あれぇ〜?
アトちゃんとこっくんではないかぁ〜。
なに話てるの?
・・・わぁー。
アトちゃんのTシャツカワイイ〜!!
どこで買ったの??
こく:なッ・・・!!
とくさん、冗談やめて下さいよ。
アト:おっ、とくさんやないか。
これはやなー、・・・なんと!
!!わいのオリジナルや!!
こく:・・・それ、手作りなんですか!?
とく:すッごーい!!
アト:なんなら、とくさんにもつくったろか?
とく:えぇ〜!いいのぉ〜?わぁーい♪
こく:・・・・・・。
この二人との心の距離を感じたこくであった。
完