novel
□見つめる瞳U
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今日もまたバタバタと一日が過ぎて行く。毎日車での移動、テレビ番組の収録、雑誌の取材。
息つく暇もなく朝が来て仕事をこなしているとあっという間に夜になる。
疲れもストレスも溜まっていく一方で、メンバー皆からは徐々に笑顔が少なくなっていた。
「あー…次は何だっけ?」
「次は取材!ホラ、今のうちに何が軽くご飯食べておかないと!」
スケジュールを確認しながらメンバーに指示していくユノヒョンは本当に頼りになる。こんな時、まとめてくれるヒョンが居ないと他のメンバーだけではやっていけないだろう。
「そうですよ、ユチョンヒョン!最近食欲がなくなってきてるんじゃないですか?しっかり食べて寝ないと体力持ちませんよ?」
おにぎりを片手に持ちながら俺に向かいそう言うチャンミン。
確かにお前はしっかりと毎日ご飯と睡眠だけは欠かさず取ってるもんな。
「ホラ、たべな」
ジェジュンヒョンの声が聞こえ振り向くと、彼はおにぎりを俺に差し出していた。渡されたおにぎりを眺めた後、ヒョンに視線を移した。
昨日の夜も俺はヒョンと体を合わせた。互いに夢中になってものだから、つい夜更かし…いや、朝方まで起きている事がほとんどだ。
ご飯も睡眠もろくに取ってないんだから、そりゃ多少体調を崩してしまうのも無理はない。
「…ジェジュンヒョン…昨日俺、手加減してって言ったよね?」
小声でヒョンに尋ねると、彼はケロッとした顔で答えた。
「ユチョンがこの前俺にしたのと同じ様に仕返ししただけだよ?手加減無しに思いきりしたのはユチョンでしょ?」
そう言われると反撃の言葉が出てこない。確かにこの前はヒョンが気絶する寸前まで攻め立てた。
じゃあ元の原因は俺にあるって訳か?
そんな事を考えていると自分のお腹から空腹を示す小さな音が鳴り、俺はヒョンから貰ったおにぎりを口に運んだ。
さすがに何か食べないと倒れ込んでしまいそうだ。