novel

□見つめる瞳V
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今日は朝からチャンミンと二人でドライブに出かけ、目的の海辺に辿り着くまでに何回も寄り道をさせられる。

通る道に並ぶ喫茶店や屋台、レストランを見付ける度にチャンミンは「止まって下さい」と口に出した。

車の中には様々なお店の食べ物の袋やヒョン達へのお土産が次々と増えていく。


「ちょっとチャンミン、食べ過ぎじゃない?」

「まだまだいけますよ。ユチョンヒョンもどうですか?」

差し出されたお菓子や飲み物を見て、俺はやわらかに断りを入れる。見ているだけでお腹一杯だ。

そんなやり取りを数回繰り返し、車を走らせて1時間30分を過ぎた頃に目的地へと到着した。


沢山の車が並んでいた空き地から少し離れた所に車を止める。

車から降りて空を見上げると眩しい日差しが射し込んでくる。

肌にまとわりつく様な潮風や蒸し暑さが、よりいっそう海という存在を主張させた。



「あっついねー…」

「本当ですね」


しかし今年初めて来た海に、俺もチャンミンも心なしかテンションが高まり、周りに居る子供みたいに砂浜を裸足で駆け出す。

太陽の光で熱を持っている砂浜の上を裸足で歩くのは一苦労だった。


「ヒョン、冷たくて気持ち良いですよ!こっちです!」

「待ってチャンミン!俺日焼けすると直ぐに赤くなっちゃうから、日焼け止め塗らないとマネージャーに怒られちゃう」

準備していた日焼け止めを片手に握り、それを腕や足に塗っていく。
そんな俺を不思議そうに見つめるチャンミンは立ち止まり、遠くから眺めている。


どうして日焼け対策をしているかと言うと、それは勿論俺が原因で始まった事。

以前同様に海に行った時、何も考えずに遊んでいると気が付かぬ間に肌が赤く焼けてしまい、雑誌の撮影に悪い影響を与えてしまった。

その時に酷くマネージャーに怒られるし、ヒリヒリして痛いしであの時は散々だった。


一通り露出している場所には塗り終わり、ふと周りをぐるりと見渡すとカップルや家族連れが多くみられた。

俺らはなるべく人目に付かない穴場のような場所を探しだし、そこに移動した。



 
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