novel

□見つめる瞳X
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ジェジュンヒョンと体の関係を断ってから早一週間。

俺らの付き合いに大きな変化はなく、ジェジュンヒョンもその環境に慣れようと互いに努力していた。



「…無理してませんか?ユチョンヒョン…」


心配そうに顔を覗き込んでくるチャンミンに微笑み、大丈夫だと返事を返した。

しかし毎日のように欲を吐き出していた体はこの環境に慣れてくれない。

ジェジュンヒョンを見る度、快感を覚え込んでしまった俺の身体は欲を求めて芯が疼いてしまう。

きっとそれはヒョンも同じなのだろうけど、いきなり手放したものの大きさを俺は思い知らされた。




「ユチョン!」


後ろから腕を捕まれ、グイッと引っ張られた体は自然と後ろを振り向く形になる。

チャンミンも何事かと思い、話を中断してその声の主に目線を彼に向けた。


「何?ジュンス」

いつもの様に元気な姿を見て一安心する。笑って彼の名前を呼べば、満足げに笑い返す君。
そんな君の姿に一気に視線が集まる。



「チャンミン、ちょっとユチョン借りるね?」

「えっ?」


掴まれた俺の腕に彼の腕が絡まり、チャンミンに一言そう言ったかと思うと足早にその場を立ち去った。

相手の返事なんてお構い無しに行動するところが何ともジュンスらしい。

チャンミンはいつもの事だと十分に理解してくれてるから助かるのだけれど。

しかし話の途中でいきなり連れていくものだから、さすがのチャンミンも困った顔をしていた。


「ちょっ…ジュンスヒョン!」


遠くから聞こえたチャンミンの引き止める声を半ば無視して歩むジュンス。

チャンミンの方を振り返れば、諦めたような表情で笑って手を振って送り出してくれた。


「この後仕事なんですからちゃんと1時までに戻ってきて下さいね!」


俺らにそうしっかりと忠告をして。







―――――…


前を歩くジュンスの後を黙って付いていくが、彼はキョロキョロと周りを見渡すだけで、目的地があるようには見えない。


「ねぇジュンス、どこ行くの?」

「ゆっくり話せる場所!どこか良いところないかなぁって思って探してるところ」


相変わらずマイペースというか何と言うか。そんなところも含めて、君の全てに惹かれているのだけど。


 
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