novel

□囚われた君と僕
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本当の僕らを知ってるかい?



その正体は夜になると暴かれる。




誰も知らない

僕らしか知らない




そんな僕らは そう


《ナイトメイト》











静かな部屋の中で音を立てて鳴るメールの受信音。

僕はチカチカと光る携帯を手に取り画面をメールに開いて目を通す。

こんな時間のメールを送ってくるのは彼一人しか居ない。

携帯を開くまでもなく、どのような内容か予想がつく。


静まりかえった部屋の中、財布と携帯だけを手に取り家から出る支度をする。

もう皆は既に眠っている時間だろう。起こしてしまわぬように細心の注意をして、玄関へと足を進めた。


メンバーにも誰にも言えない隠れた僕らの密会。

玄関のドアを閉めて待ち合わせ場所へと足を運んだ。



少し歩くとその先に居た人物にゆっくりと近付き声を掛ける。


「待った?ジェジュンヒョン」


帽子を深く被り、手をズボンのポケットの中に入れて僕が来るのを待っていてくれた。

彼が僕の存在に気が付き、にっこりと微笑んでこちらへと歩み寄る。


「大丈夫だよ。それにジュンスだって俺からのメール待っててくれたんでしょ?
だって送ってからすぐに来てくれたもんね」


帽子と前髪の隙間から覗くジェジュンヒョンの瞳に、僕は弱い。

きっと部屋から駆け足で走ってきたことも、ヒョンの前だけ余裕な姿を見せているのも隠しきれてないんだろうな。


するとヒョンは僕の顔を覗き込むようにして身体を屈めて手を差し伸べた。


「…急がないとすぐに朝はやってきちゃうよ?早く行こ?」


伸ばされた手に躊躇うことなく指を絡め、暗い街の中を二人で歩く。

僕らに残されたタイムリミットは朝までの数時間。

その一時が僕らにとって一番幸せで 何にも変えがたい貴重な時間なんだ。


 
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