novel
□ターゲット
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◆Today's Target◆
《 ? ? ? 》
「ねぇ…今夜でいいんだよね?」
「あぁ、そのつもり」
「待ちくたびれましたよ、今夜が楽しみです」
「じゃあ…またあとで」
いつも通り仕事を終え
いつも通り各自リビングでゆっくりと過ごす。
仕事上がりでお腹の空いたチャンミンは早くご飯が食べたいと欲望を口にする。
その傍らでジュンスはゴロゴロとソファーで寛ぎながらチャンミンにちょっかいを出していた。
「ねぇ、ユチョンとユノは?」
冷蔵庫の前に立ち、食材を手に取るジェジュンが思い出したようにそう口にした。
「ユチョンヒョンですか?先に部屋に戻って着替えてると思いますよ?
ちなみにユノヒョンは先に軽くシャワー浴びてくるって言ってました」
「ふ〜ん、そっか」
答えてくれるチャンミンに礼を言い、調理の支度を続ける。
「…じゃあ…ユチョン呼んできて貰って良い?チャンミン」
「…えぇ、もちろん」
不適な笑みを浮かべるジェジュンにチャンミンも笑い返すと、ソファーから立ち上がった。
「でも僕、お腹空いてるんで少しつまみ食いさせて下さい」
そう口にするとキッチンへと足を運び、夕食を作っているジェジュンの元へと駆け寄った。
「ったく…仕方ないな」
そうするや否や、しっかりとその場を目撃していたジュンスが声を上げた。
「あっ!チャンミンだけずるーい!」
「もう…仕方ないな、ジュンスもおいで?」
近くに来るように手招きをすると、飛び跳ねるようにしてやってくるジュンスの姿に二人は思わず笑ってしまった。
「ったく、ホラ」
出来立ての料理を菜箸ですくい、口元へと運ぶと嬉しそうに、美味しそうに食べるジュンス。
「ジュンスヒョン、"お礼"は?」
横から差すようにチャンミンが口を挟む。
分かっているよ、という視線を彼に向けてジュンスはジェジュンに《お礼》をする。
「ありがと、ヒョン」
そう呟き、ジェジュンにそっと口付けをする。そのキスはどんどん深く、互いの舌を絡めていった。
「ん…っ…ジュン…ス」
「…ヒョ…ン…」
二人の口付け合う姿を間近で見つめながらチャンミンは壁に背を預け、ただその様を眺める。
そう、僕らの《お礼》というのは言葉だけのお礼ではない。
【言葉】と【行動】
両方で示すのが僕らのルール。
だけど正直、二人の様子を第三者として見ているだけというのはつまらない。
(…僕を忘れて二人だけ気持ちいいことしてるなんて、不公平だ)
徐々に芽生える不満には勝てず、僕はそっと二人のもとへと近寄った。