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□you
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― 白い息が冬を告げる
君の町にはもう 雪が降ってる ―
『プルルル……プルルル……プルルル……プルルル……プルルっ…―ガチャッ。』
「もしもし」
「取るの遅い。」
「あ、お前か。ゴメンゴメン」
― 遠く遠く感じるのは
距離なんかじゃなく心が思う ―
「ねぇ、今度いつ会える?」
「さあな―…。
俺も忙しいし。」
「そうだよね…。…ゴメン。」
「何いってんだよ。」
― 2人の願いは
いつからかずっと わたしだけのものになり ―
「……仕事うまく行かなくてさ…。
全然ダメ…」
「…ファァ……。」
「あッ……。ゴメ。眠かった?」
「んあ?…あ、全然大丈夫だよ。」
― それでも一緒にいたいのはきっと
弱さなんかじゃないよね ―
「あ、見て。月がキレイ…。そっちも見える?」
「あ、…うん。」
「綺麗…。」
「離れてんのに、俺たち同じもの見てんだな…。」
「…うん。」
―君と見るこの景色が
あるならばなにもいらない ―
「雪…。」
「え?」
「雪降ってる。」
「お前んとこか?」
「うん。…」
「さすがにそこまで、同じじゃなかったか…」
「…………ケド、スゴく綺麗。」
― 君がいないこの景色は
雪の中で見る ―
「ねぇ、進也…。」
「ん?」
「あたし、進也のこと……すk「進也ぁ〜、まだあ〜」
「…えっ。今の誰っ……」
「あ?ああ、姉ちゃんだよ。
なんか友達と東京見学なんだってさ。」
「ふぅん…。」
『ねーえーっ』
「…ッ。ゴメン!忙しいから切るわ。」
「うん。」
「なあっ。……」
「ん?…」
「愛してっから…」
「うん。」
『プッ……ツ―ツ―ツ―…』
「姉ちゃんなんて、いないじゃん。」
―止まった世界―
−you