POKEMON'S DREAM
□第10話 心強い味方!
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「『!』」
イエローとクリアの上空に、プリンが現れる!
ひらり
どすん!
「ブ…ブルーさん!」
『…とマサキさん!?
な、なんで二人がここに…!!?』
目の前には、華麗に着地したブルーと腰を打ってさすっているマサキの姿があった!
「あんたたちの危機を知って追ってきたのよ」
「ブルーさん、マサキさん!」
「久しぶりやな」
イエローは二人を知っているようだ。
『……知り合い…なの?』
「ええ。イエローはクリアには話してないようね。
実は…
「ブルーさん」
ブルーの言葉をイエローは遮った。
「クリアさんには、ボクから話してもいいでしょうか?」
「…、分かったわ。あんたに任せる」
「はい。
クリアさん。簡単に話したいことがあります」
『う、うん』
―――…
『そうか、ブルーがイエローをこの旅に…』
「はい。これで、話したいことは全部です」
「えっ。ちょっと、全部ってま…
「そんなことより、何でブルーさんは、マサキさんと一緒に?」
『い、イエロー(話を遮った…;;)』
ブルーもそんなイエローに驚いているようだが、それ以上それに関して触れることはなかった。
「おほほ、色々あったのよ。気にすることはないわ♪」
ウインクしながら言うブルーだが、マサキはそんな彼女を睨んでいた…。
『(…絶対、何かあったんだろうな……)』
クリアの視線にも気づいたブルーは、コホンと咳払いし、場の空気を変えようとする。
「さ、さあ!もたもたしていても仕方ないわ。
行くわよ!ぷりり!」
プリンが膨らみ、四人はプリンに乗る。
「そして、"えんまく"をお願いよ、タッちゃん!」
ぷりりが黒煙に覆われ、闇夜に完全に紛れ込んだ。
「オッケー!」
ブルーはシルクスコープをつけ、周りの様子を探り始める。
「おいおい、ちと大げさ過ぎるんとちゃうか?」
『いや、そうでもないよ。ここでの移動は、注意を払い過ぎても構わないかもしれない…。
…あっちに、二三匹、こっちに…、二匹……そっちに……、四匹……ポケモンの声がする』
「ええ!?ホンマかいな」
「ええ、そのとおりよ。流石ね(…でも、声に自信がないわ。どうしたのかしら?)」
マサキはブルーからスコープを借りて見る。
「ヤドランがおるわけやから、寒いんやな!
こら、うっかり地上を移動したら、三歩歩くごとにバトルやでえ!」
「そういうこと!
ぷりりの気球はスピードはともかく、静かさは天下一品だもの!」
『(ポケモンの声は聴けるけど…言葉までは分からなかった……。まだ、完全に力が戻っていない…)』
マサキは改めてクリアの力を褒める。一方、イエローはどこかうかない顔の##NAME1#を心配そうに見つめていた。
「さあ、イエロー、どっちへ行けばいいの!?」
「(ハッ…)ええと…、地図を手に入れているんですが…」
『どうしたの?』
「どう見たらいいのか分からなくて…。
ええと…、こっちかな?」
「ええい、わいが見たるわ!貸しいや!」
ぐい
『きゃ…』
「ちょっとマサキ!無理に動かないで!ただでさえ狭いんだから!」
「なんやねん、折角わいが…」
「やめてよ!」
『ちょっ、二人とも…;;』
「うわっ」
ひらり
「あっ、ああっ、地図が!」
下に落ちてしまった!更に…。
『! ポケモンが近づいてくる…!』
「マズイ!」
その地図を拾ってしまった…。
[? ? ?;;]
「(捨てろ!捨ててくれ!)」
「(捨てるのよっ!)」
「(捨てますようにっ!)」
『(お願い!捨てて!!)』
四人は祈るが、
ぱ く
「「「『あ〜〜〜っ!』」」」
ヤドランは食べてしまった。
「どうするんやっ!」
「あなたのせいでしょう!?マサキ!」
『二人とも!揉めてる場合じゃ…!』
「ちょっと見てください!」
三人はイエローの示す先を見る。
のそ…
「何処へ行くんや!?」
『…もしかして、主人のもとに行く、とか?』
「おそらく、今のことを伝えに行くんではないでしょうか?」
その言葉にマサキは焦り出す…。
『ブルー、どうする?』
「……」
ブルーは少し考えると、タッツーに指示を出す。
タッツーはヤドランに引っ付き、そのまま一緒について行く。
「あのヤドランが見えなくなるまでここで待つ!十分距離がとれたら追うわ!」
「あほか!見えなくなったら、追えへんやろ!!」
「そのためのタッちゃんよ!」
『…そっか!タッツーの墨ね』
「あったりー」
「…なるへそ!」
「……、なるべく急ぎましょう。
今、こうしている間にも、ハナダやニビ、タマムシが総攻撃を受けているんですから」
『あ…(そうだ…、カスミ、タケシ…エリカ…!)
うん、そうだね』
一行は墨を頼りに進んでいく。
「そろそろ島の反対側ね」
洞窟の入り口が見えてくる。
「あそこやな」
「……中まで行ったのかしら?タッちゃん!
でもあそこにすぐ侵入するのは危険だわ。少し様子を探らないと!」
『! ブルー』
ブルーの腰のモンスターボールが揺れている!
「ピクシーやないか」
「このピッくんはとっても耳がいいの。何か…聞こえたのね。
クリア!」
『! …ごめん、私、今…ポケモンの声を聞き取ることができないんだ…』
「!」
「え、でもさっき!」
『さっきは、言葉は聞き取れなくて…"音"だけで判断したんだ。
イエロー、お願い』
「は、はい…」
「一体、何があったのよ!?」
『分からない…。でも、おじいちゃんが言うには、原因は記憶障害が関係しているか、それとも、何か大きなショックのせいなのか…そのどちらかみたいなの』
「そんな…」
「みなさん、分かりました!」
「「『!』」」
「人の…声。人の声が聞こえたみたいです。そして、このピクシーの表情。驚いてはいるけど、怯えてはいない。
…知っている人のようです!」
「知っている人…」
『ピクシーの表情からして、私たちに敵意のある人じゃないようね』
「…ってことは味方なんか!?」
『わからない…』
「行ってみましょう!」
ブルーの言葉で一行は先に進んでいく。
すると、人影が見えてくる!!
『(敵…、それとも、味方なの……?)』