POKEMON'S DREAM

□第12話 VSシバ!
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「ああ〜〜、全く今日はなんちゅう日や…!!」

「ん!?何か言ったか!?」

「な、何も言うてませ〜〜ん!!」

『(…マチスは随分と怒っているようだけど、何かあったのだろうか…)』

マチスはマサキを睨んだ後、進みながら口を開く。


「四天王の奴ら、誰でもいいから出てきやがれ。オレのジムのあるクチバをあんな風にしやがって!!」

『! それ、なみのりコンテストの奴ですよね』

「そうだ!!
本当ならな、クチバで四天王を倒す計画だったんだよ、オレたちは!」

「な、何やて!?」

『それがどうして…、!?』

マチスはクリアを睨んだ後、話を続ける。


「奴らが探しているある人物がな、クチバにいるっていう情報を流しておびき寄せ、一気に叩くつもりだった。中隊長のサント・アンヌ号強奪はその下準備だったんだが…。
それをクリア!お前とイエローとかいうガギが!全く余計なことしやがって!!」

『(だから、こっちを睨んでいたわけね…)四天王討伐のためとはいえ、一般市民が乗っている船を襲うことはないだろう?
私とイエローがそれを見逃すとでも?』

「……」

『……』

歩きながら睨み合う両者に、マサキはオロオロする。


「『!』」

「どうしたん…ですか?;」

動きを止めた二人は、前方を見たままだ。


『マサキさん、あれを…』

「…ここは!」

そこには、大きな水溜りがある。湖とまではいかないが、かなり大きなものだ。
その上を、岩でできた手すりのない橋が二本クロスして渡してある。


「…どでかい水溜りだぜ。先に進むには、こいつを渡るしかねえってことか」

『行きましょう!』

「ひえええ。ここを渡るんかいな!」

弱音を吐きつつ、マサキは二人にならい岩を登り始める。



グラ



「ム!」

『わっ…』

岩の橋が動いた!?


「わっと、ととと!!」

『マサキさん!?』

「うわあ――っ!!」

「オイッ!!」

マチスとクリアが手を伸ばすも、マサキは下に落ちてしまった!


ズブリ…


『水の音じゃない…?』

「…何?」


「水やあらへん!!」

マサキも異変に気づき、コイキングの"はねる"で下から脱出した!


「ハア…ハア!何やこれは!!
下に広がっとるんは、透き通っとるけど、水やあらへん!!」

『! どういうことですか?』

「もっと粘っこくて…。もし"はねる"のが得意なコイツがおらんかったら、抜け出せへんとこやった!!」

「……それだけじゃあないぜ。お前のクツと、ズボンの裾を見てみろ!」

「え!?」

『これは…』

マチスに指摘されたとおり、二人が目をむけると…、


「と…溶けとるっ!!」

それぞれボロボロになっており、煙があがっている!


「前に見たウツボットの"よだれ"並だぜ。兎に角、ここは落ちたら一巻の終わりってことか!!」

『……;』


「そうだ」


「「『!』」」

「ここを通り抜けたいのなら、オレと戦い、勝ことだ。
この極限の闘技場でな!」

三人の前に、一人の男が立ちはだかる!


『(……、あいつ…"あの時"の三人の一人…!!)』

「極限の闘技場だと!?…まさか!!」


グラ…


『これ、ただの岩じゃない!!』

「この岩の橋は、イワークや!!」

イワークが三人を睨んだ!


『イワークを使う四天王…!?』

「てめぇは、シバか!!」

「そうだ」

マチスの問いに、シバは素直に認める。


「この生きている橋は、どのように動くか予測不可能。落下すれば下には脱出困難な水性粘液。フフフ、この足場の悪い条件を制する者が勝者となる」

「ア…アホか!!イワークはそっちのポケモンやろ!!わいらが不利やないか!!」

「いや、このイワークは野生のもの。条件はオレも同じだ。このオレとて、判断を誤れば、命を落とす」

「嘘ではないようだな」

『はい…』

「なんで、わざわざこんな…、」

「フフフ。極限の状態でこそ、真の実力は問われる。
オレが求めるのは、心を熱くさせる戦い、ただそれだけだ!!」

「上等だぜぇ、四天王シバよ!
オレはクチバジムジムリーダー、マチス!!この勝負、乗ったぜ!!」

「『……』」

マサキとクリアもボールを構える。


「エレブー、"でんきショック"!!」

「ロコン、"かえんほうしゃ"!!」

『クロス、"じゅうまんボルト"!!』

シバは、それらの攻撃を全部かわす!!


「あの野郎、もったいぶってなかなかポケモンを出しやらねえ。
…だがイワークってとこから考えて、"じめん""いわ"タイプだぜ。おい、クリア!あのチビのかくとうポケモンを出せ」

『…出せたら、とっくに出してるよ』

「チッ。
オイ、お前、何か作戦考えろ!大学出てんだろ!!」

「ひええっ!なんでわいが…;;」

「……オレは今回イワークは使わない。たった一つのタイプで勝負が決してしまうような勝負はオレの好みではない」

「何っ!?」

シバはヌンチャクを構える!


「四天王、シバ。司る力は…、」


ブンブンブン

ボン ボボン



闘!!



拳! 蹴! 手刀!




「オレの専門は肉弾戦だ!」

「「『!』」」
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