POKEMON'S DREAM

□第15話 決戦!!
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ゴオッ


『急げビアンカ!!』

クリアは、先ほど空に伸びる一筋の光を見た!その光の中には、"何か"がいる!


『(きっと…あそこにイエローたちが…)っ!』

光に沿うように、何かが上に昇って行った。


『今のは…、イエロー!!』

「! クリアさんっ」

〈そのカイリューは…!おいっ!〉

ビアンカが、イエローがしがみついているカイリューに反応している。
ビアンカがカイリューに語りかけると、カイリューは一瞬動きを止める。だが、構わず飛び立とうとしている。


『待ってカイリュー!』

そのカイリューは見るからに弱っている。イエローも飛ぶのを止めるよう呼びかけるが、カイリューはとうとう飛び始めてしまった!


「どうしてそこまでワタルの為に…」

『!』

イエローの言葉に、クリアはカイリューに意識を集中させる。


〈ワタルはポケモンの為に行動している。忠誠を誓うのは当然だ。ワタルはポケモンの敵である人間を排除してくれるはずだ!〉

『カイリュー…』

「人間を憎む気持ち。ワタルはそんなポケモンたちの気持ちを代弁している。お前がワタルを慕う気持ちも…分かる!
だけど…。だからって、人を!町を!全てを破壊するなんて間違っている!!
きっと人とポケモンは共存できる!」

『(イエロー…)そうだ!私たち人間は、ポケモンと生きるために今までも色々と努力してきた。今だって、ポケモンと共に生きている人たちは沢山いるんだ!!』

「クリアさんっ」

『来い!』

イエローもビアンカに乗り、そのまま上昇していく!


バサッ


「! その竜は…」

巨大な鳥ポケモンの傍にワタルはいた。彼は、ビアンカに目を見開いている。


『ワタル…いえ、兄さん。もう、こんなことは止めて!!』

「ええっ」

「……知ったのか」

『ええ。両親から聞いたわ。
ねえ兄さん…確かに、人間から酷い仕打ちを受けたポケモンたちはいる。でも、このビアンカのように、私たち人間を信じてくれるポケモンもいるんだよ。人間と共に生きているポケモンたちはいるんだ』

「クリア…ポケモンの声を聞けるお前までがそんなことを言うのか!?
ビアンカの心を開けたのは、直接声を聞けるお前だからできたことだろう?ポケモンの声を聞けぬ人間など、同じことを繰り返すだけだ!」

『それは違う!ビアンカは、私が直接心を開いたわけじゃない…声を聞けない父さんがビアンカの心の傷を癒やしたんだ』

〈ワタル…アツシだけじゃないんだ〉

「何?」

〈マサラの人々を見て、私は考えを改めることができたんだよ。人の温かさに触れて…私はまた、人間を信じることができた〉

「…」

『兄さんのトキワの森の力、破壊のために使わないで…。ポケモンと人間の架け橋の為に使ってほしい。そのためなら、私も――』

「……れ…」

『!』

「はっ!」

「黙れ!!」

ワタルは"はかいこうせん"を放ってくる!


『くっ…』

とっさのことだった為、クリアは臨戦態勢に入れないでいた!







キ ン!







シュウウウウウウウウ…


「!」

『あ…』

クリアたちの前には、イエローと――"トランセル"がいた!


『イエロー、ピーすけ!』

その言葉にイエローは笑みを向ける。


「図鑑がなくなってしまった今、キャンセルボタンはもう押せない。イヤ…、キャンセルボタンはもう……押さない!
絶対にワタルを止める。皆、ボクに力を貸してくれ」

『(イエロー…)兄さん、話を聞いてもらえないなら――私も全力で挑みます!』



皆を守るための力を!


この世界を守るために!!



イエローのボールからは、進化した手持ちたちが飛び出す!クリアの手持ちたちも、ワタルたちに向かって行く!!


ピシ パアアアア


『! 連続進化!?』

ピーすけはバタフリーに姿を変えた!!


「先に行きます!!」

『イエロー!』

「ワタル―――!!
うおおおおおおお―――!!!」

イエローは飛び出して行く!


「宙を飛べるようになったか。
しかし、邪魔はさせん!ギャラドス!ハクリュー!」

ドラゴンポケモンたちも向かってきた!


「人間はポケモンの敵!奴らを排除するために…、幻のポケモンは手に入れる!」

『兄さん!まだそんなことを…』

「お前こそ、オレは失望したぞ。…クリアなら、分かってくれると信じてたのに

『えっ、』

「もう手加減はせん!!ここでお前らを叩き潰して…その考えを改めさせてやる!」

「ボクは皆の世界を守るんだ!」

ピーすけとプテラの攻撃がぶつかり、ワタルとイエローは間合いをとる!


『イエロー!』

「くっ…、クリアさん、お願いが…」

『!』

その間にも、ワタルは体勢を整えてくる!


「作戦会議とは、随分と余裕だな!
"はかいこうせん"!」

「"れいとうビーム"!」

「落ちろ!"たたきつける"!」

『ビアンカ"たたきつける"!』

どちらも、互いの技が相殺されていく。


が し


プテラの"つばさでうつ"をオムすけの"からにこもる"で抑えるイエロー。


「ふふ…、守りの戦い。いつまでもつかな?」

「貴方が考えを正すまで!」

『ワタル兄さん!!』

クリアは他の竜を抑えながら、ワタルに呼びかける!


「お前たちがどんなにあがこうと無駄だ!その間に、こいつがバッジのエネルギーを吸収し尽くす!エネルギーを吸ったその翼の一振りで、先兵として送り込んだ各地の四天王軍もバッジの影響下の置かれる!」

「『!』」

「ふふふ、もうすぐだ!見えるぞカイリュー!!」

ワタルの声にカイリューが頷く。


「これから建国される、素晴らしいポケモンの国が!今度こそ人間どもから、ポケモンを解放できる!」

「くっ…」

『このままじゃ…!』



何か――何か打つ手は!!?



〈思い出した!〉

『!』

「これは…!」

イエローにはピカの思考が、#NAME1##には、彼の声が直接聞こえてくる。


〈オレは、レッドの戦いを見ていたことで、バッジが集まって発生するエネルギーの強さを知っていたんだ!
エネルギーの発生は防ぎようがない。その対策はたった一つ!それ以上の力をぶつけて吹き飛ばすことだ!!〉

『ピカ…!ありがとう』

クリアとイエローは頷き合う。
















たっ

だだっ


ザッ


「!」

「きゃあ!」

「! 止まれ!」


きき――…


「何故、ウインディが?」

「あっ!もしかして、ウインでしょ?クリアの、
「残念だが、それは違うよ」

「「あ!」」

少年と少女は、ウインディから降りてきた人物に驚く。


「グリーン!ブルー!」

「レッド!」

「それに、クリアのお父さん!」

「久しぶりだね、二人とも。
さあ、行こう。今、イエローくんとクリアがワタルと戦っている」

その言葉に、四人は洞窟を一気に駆け抜ける!
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