POKEMON'S DREAM

□第4話 定期船での攻防
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ザザザザザ



『(サントアンヌ号…、また人々にのもとに戻ってきて良かった…)』


二年前――

ロケット団に密輸船として使われていたところを、正義のトレーナーによって救われ…、

今、また人々の夢を乗せた船として愛されている――。


ぴょん ぴょんっ


『! ピカ!』

「アハハ!」

ピカとクロスがイエローとクリアの頭を飛びうって遊んでいる。飛びうつるタイミングも息が合っていてぶつかることはない。


『もう…(笑)』

「落っこちるなよ!!(笑)」

二人はそんな二匹をさせたいようにさせたまま海を見つめる。


「次の町、クチバシティで今度こそ会えるといいな。レッドさんに!」

『うん!そうだね』

[[ピッ!]]

それぞれの主人の頭の上で二匹は元気に鳴いた。


暫く二人は甲板を歩き回る。


「ふあああ〜、眠〜〜い」

『ふふっ、大きなあくび(笑)』

「ク、クリアさんっ//
…ん?」

『イエロー?…!』

二人は怪しげな人影を発見する。


「…今の、何でしょうか?」

『もう少し様子をみようか…』


シュウウ―


「?」

『煙!?』







ズズン







「『!』」

サントアンヌ号が大きく揺れた直後、船尾から沈み始める!


『事故にしては、何かがおかしい…!』

「ええ!あと少しで港なのに…」

二人は頷くと…、


「ピカ!頼む!」

『クロスもお願い!』

二匹を偵察に向かわせた。


『イエロー、私たちは動力室に行こう!』

「はい!」



― 動力室 ―



『これは…』

「何者かに壊されている…」

二人は中を探る。


『…イエロー、これ見て』

「! 時限爆弾による破壊…」

『それに、この捻じ曲がりようは…エスパー技によるものよ』

「一体誰が…」

『少なくとも、トレーナーってことは確かね』


「ムム!」


「『!』」

二人の背後から人の声が!


『(あれ、この声…)』

「む。やはりわしのにらんだどうり、動力室が何者かに破壊されてたんじゃね!
よーし!」


『あ!もしかして、会長さん!?』

「クリアさん?」


「くらえ犯人!"ネコにこばん"!」


『(攻撃?!)ウイン!!』



バシィ!



「ムオ!?わしの攻撃が!!」

『待って会長!私です、クリアです』

「え…、その声に、そのウインディは…」



グラリ



「「『!』」」

船が大きく揺れる!


「お;」

『会長!』

「危ない!」


シュッ!


[[ピカ!]]

「ピカ!クロス!!」

『ナイス!』

二匹のピカチュウが会長を支えた。


ゴボボ


『あっ!』

「浸水だ!?
大変だ、穴もあいていたのか。オムすけ!
"れいとうビーム"!!」

イエローが穴を塞ぐ間に、クリアは会長の傍に行く。


『お久しぶりです、会長!』

「クリアちゃん!…とすると、この二匹のピカチュウは…」

『ピカとクロスです』

「おお!やはりあの時抱かせてもらったピカチュウズ!」

『(…ズ?;)』

「ピカ!クロス!」

イエローが駆け寄り、二匹の思考を読む。


「…やはり、乗客のみんなも危ないみたいです」

『分かった、行こう!
会長も!』

「ウム!」

「…クリアさん、この人とは知り合いですか?」

『ええ、ポケモンだいすきクラブの会長さんよ』

「レッドくんとクリアちゃんは、わがクラブの名誉会員なんじゃよ」

「へえ。あ、ボクはイエローです」

「そうじゃ、レッドくんは?」

「レッドさんは今…!!」

また船が揺れる!


『その話はあと!!今は早く甲板に行かないと!!』














「ワハハハ!我らロケット団の存在、忘れさせるわけにはいかぬ!!」

「ロケット団!まさか!二年前に壊滅したはずでは!」

「見くびるな!」

『『『ヒィ!』』』

「フフ。確かに、二年前、マサラ出身の四人のトレーナーによって我らは敗れた。首領、そして三幹部とも見事にな。
だが残存勢力は、カントー各地で復活ののろしをあげる機会を伺っていたのだ!」

「残存勢力…」

「もともと、三幹部の下には各々中隊長が統率する三つの中隊が存在していたのはご存じかな!?」

「そう!この我々三人は、各中隊の長!
いわばロケット団のエリート!」

「このサントアンヌ号占領をもって我らが復活をカントー中に知らしめる!」



「『…』」

「あわわわ、犯人はロケット団だったのね;;」

イエロー、クリア、そして会長は物陰に隠れて様子を伺っていた。


「…クリアさん、」

『!』

イエローは耳元で何かを囁く。


『…うん、それでいこう』

「はい。それじゃあ…」

『…頑張って』

イエローは頷くと、乗客の前に立ちロケット団中隊長たちと戦うため、船首に向かっていく。


「お…おい、キミ…。
クリアちゃん、行かせて良いのかね?」

『大丈夫!イエローは、オーキド博士が認めたトレーナーですから(笑)』

「しかし…、」

会長含め、乗客たちはイエローの手持ちを見て不安になっている…。


『皆さん!落ち着いて下さい!!』

『『『!』』』

『ここは、彼に任せて下さい!
皆さんは、揺れに耐えれるよう、何処かに掴まって下さい!!』


「ウハハハハ、こんなチームに任せろだと!?」

「ふん、我々を甘く見てるな!
良いだろう!!遊んでやろうぜ!!それで恐ろしさを思い知らせてやる!!」

「いくぞ!」

イエローたちは向かっていく!
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