POKEMON'S DREAM
□第7話 異変
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ザザザ!
ザバッ
『うん、いいよクロス!こんな感じだね』
[ピ!]
クリアは"なみのり"の練習をしていた。
『じゃあ、そろそろイエローのところに戻ろうか!』
進路を陸に向けた時、
ぱたた
『(カモネギ…?)』
だが、飛び方が危なっかしく落っこちそうだ。
『大丈夫かな…』
[ピィ…]
クリアがカモネギの真下を通った時!
ふらり
『危ない!』
とすっ
[ガァ…]
『大丈夫…、あ』
カモネギは右翼に怪我している。
『一緒に来て?手当してあげる』
クリアはすぐにイエローのもとに戻った。
ポウ
事情を聞いたイエローはカモネギを癒やす。
「うん、もう大丈夫だよ」
『良かったね。
でも、何があったの?』
[ガアガア]
イエローはカモネギの思考を読み取る。
「…急に自分の巣の位置が分からなくなって、帰れなくなったって!?おまけにこの傷、"森に攻撃された"ものだって!?」
『ええ!?』
イエローとクリアは顔を見合わせる。
『信じられない話だけど…この子はほっとけないよね?』
「はい!
カモネギ、その森に案内してくれるかい?」
[ガア]
―――…
「うわあ…。迷いそうだな;;」
『ほんと…;;(同じような木に、同じような草ばっかり…)』
「クリアさん。カモネギは、"この森は来るたびに様子が変わる"って言っているんです」
『来るたびに…。確かに、こんな木や草がはえているんだから、それも分かる気がする…。
私たちも迷わないようにしないと』
「はい!
よし!ピーすけ!」
そして、イエローはピーすけの糸を枝に結びつける。
『成る程ね』
「さあ、行きましょう!」
ざっ ざっ
ザワ ザワ
『(…不思議な森だなぁ…)
きゃ!?』
「わっ、すみません…」
『どうしたの?…え、』
突然止まってしまったイエロー。彼の目の前には…
『これ…、ピーすけの糸!?』
「はい。おかしいな…、真っ直ぐ進んでたはず…」
周りを見て二人は驚く!
『ええっ!?』
「同じところをぐるぐる回っていたのか!?迷った!」
二人の周りには、木と木の間に何重にも巻き付いた糸があった!
ザワ ザワ
『気をつけて!…何か変だ』
「…」
ビュ!
「ピカ!!"でんきショック"だ!!」
『木の実が次々と!!
クロス!!』
カモネギも含めて、四方から飛んでくる実を弾き返す!
ボコ
『な…!』
木の根元から"足"が現れる!
ボコ ボコ ボコ
「こっ、今度はなんだぁ!?」
『(あの"足"は!!)イエロー!ドドすけを出せ!
この森を抜ける!!』
「はい!ドドすけ!!」
クリアもウインを出し、二人はそれぞれの背に乗って森の出口を目指す!
『森の外へ…!!』
ドドすけとウインは木の実の攻撃を抜け、森の出口へと抜ける!
「よし!抜けた!!」
『このまま見晴らしのいいところへ行こう』
どどどど
「『!』」
ザザザザザ
『(やっぱり…!)』
「森そのものが…、移動している!!」
『イエロー、さっきのは森じゃなかったんだよ』
「え…」
『図鑑開いて』
「…あ!森だと思っていたのは…ナッシーに…、ナゾノクサだったのか!!」
ナッシーとナゾノクサたちはその場を去って行ったのだった。
――…
《まったく!!こんな時じゃなきゃ連絡をよこさんのか!?》
「!;;」
『お…おじいちゃん落ち着いて;;』
二人は、オーキド博士に連絡をとることにした。
博士の剣幕に二人はたじたじだ…。
「だって通信は、盗聴される危険があるからって…;」
《…クリア、お前がついていながら…》
『いや…、私、イエローが通信できることを知ったのは、ついさっきで……;』
《……》
「『……;;』」
《まあいいわい。
ナッシーやナゾノクサの大移動にあったんじゃな》
『うん』
《カモネギが迷った原因は、わかったじゃろ。
問題は…、"大移動が何故起きたか!?"じゃな。…繁殖の時期ではないし…、もしかすると…》
「『もしかすると?』」
《野生の生物は大きな危機の前触れを、敏感に悟るものじゃ。天変地異や…、もしくは、それに匹敵する――》
巨大な力を!
『巨大な…力…!?』
― スオウ島 ―
「敏感な生物は、気づきざわめいているはずだ!この四天王の将、ワタルが動こうとしていることをな」
「(ワタルくん…)」
ミーナはその姿を見つめるしかできない。
「すぐに再び見えることになろう、イエロー!それまで命はあずけておく!!
そして、返してもらうぞ――」
クリアを!
『っ…』 ぞくっ
なんだ…
今のは…
カモネギとイエローが戯れる横で、クリアは難しい顔をする。
[ガアガア]
「クリアさん、カモネギが(笑)」
『あ…』
足元には、擦り寄るカモネギが。
『良かったね、無事に巣が見つかって!』
[ガア!]
『ふふっ♪』
クリアが撫でてやった後は、カモネギはピカとクロスと話し始める。
「…クリアさん」
『イエロー…』
「さっきから、博士の言葉を考えていたんですよね」
『あぁ…気づかれちゃったか(苦笑)(さっき感じた"悪寒"は黙っておこう…)』
「これから…何が起こるんでしょうか」
『うん…。"天変地異もしくはそれに匹敵する巨大な力"…か』
「『……』」
『…考えるだけ無駄か(苦笑)』
「情報が少ないですもんね(苦笑)
それよりも、先へ進みましょう!」
『うん!』
今は…それしか出来ない!
二人は頷き合う。
そして、カモネギと分かれ、グレン島へと向かうのだった。