POKEMON'S DREAM

□第8話 決戦の地へ
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― グレン島 ―



イエローたちは無事に島に上陸できた。


「クリアさんは前にこの島に来たことはあるんですよね」

『うん、そうだよ。
でも、あの時はいろいろあったからあまりこの島のことは知らないんだ(苦笑)』

「そうなんですか。じゃあ、あの火山が噴火するかどうか分かりませんよね?」

『うん…、どうなんだろ、噴火するのかな?』


「いや、あの火山は休火山だよ、今は活動してないよ」


「『!』」

現れたのは、ボーイスカウトの少年だ。丁寧に火山の話を聞かせてくれた。
それから彼は、控えているゴーストと共に石を拾い集め始めた。


『何しているんですか?』

「ん?いや、知り合いがポケモンバトルの特訓をする手伝いを頼まれてるんだよ!」

「『…特訓?』」

「なんなら、見学にくるかい?」

「『!』」

二人は少年について行くことにした。














ヒュ―――――



「ここだよ、特訓の場所は」

「ひぇ〜〜〜〜!」

『こ、こんな不安定な場所で…!』

手すりのないつり橋だった。


「…で特訓するのは…あの人!」

二人は少年が指差す方を見る。


ギッ ギッ ギッ


男がつり橋の真ん中まで歩いていた。


「さぁ、やってくれ」

「ハ〜イ、いきますよおっ!

せええの!」


ブン ゴオ


ゴーストが先ほど拾ってきた石を男に向けて投げた!


『(なんて速い球!)』


シュッ!

カキィ


「!!!」

『(今のは…!)』

その球を、男の背後から現れたポケモンが打ち返した!!


「ハーイ、ウインディ!
投げたら…"ひのこ"!」


ブン ブン ブン

ゴオ


ゴ ゴ ゴ ゴ


『!』

「火球が!あんなにたくさん!
つり橋の上では左右には逃げようもないし、バランスを崩したら落ちてしまう!」


シュ!

キンキンキン


だが、男のポケモンはなんなくその火球を打ち返す!


『(あの子…もしかして!そしたらあの人は…)』


ポン


「ふしゅー」 パシ!

男は一息つくと、こちらに歩いてくる。


「ありがとう。これは今日の分のお礼だ。
…また頼む」

「イ〜エ、おやすいご用です」


クリアさん、この人の声、ボクどこかで聞いたような気がするんです…

少年と男が話す横で、イエローとクリアはこそこそと話し合う。


『ああ、それは気のせいじゃないよ。だって、あの人は…』


ポン


『!』

「あっ」

クリアの肩に手を置いたのは男だった。


「私について来るかい?」

「! は、はい」

『あの…』

何か言いたげなクリアを男は見ると、シーッと人差し指立てる。


『(…とりあえず、ついて行くか)』

男を先頭に、イエローとクリアは歩き出した。

















ギ…


「私の秘密研究所だ。裏はジムになっている」

男はガラスケースにボールをセットするとこちらを振り返る。


「グレン島へようこそ、イエロー!クリア!」

「!! どうしてボクたちの名前を!?」

『イエロー、さっき彼は"裏はジム"って言ってたでしょ?
グレンのジムリーダーといえば…』

「え!も、もしかしてっ…」

その会話の間に男は変装をといていく。


「カ…カツラさんっ!」

『お久しぶりです!』

「ああ、君が無事で安心したよ」

『心配かけてすみません(苦笑)』

「変装だったんだ…」

「どこで誰が見てるか分からないからな」

「『成程』」

「実は本物の髭は炎特訓で焦がしてしまったがね」

「っ;」

『あはは…;』
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