BOOK(企画)
□信じていて
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石のように冷たくなった君
動かぬ細い肢体
何も写さない虚空の瞳が痛々しい
己の浅はかさを呪う
ほんの少し目を離したばかりに
君を巻き添えにしてしまった
今、君は
暗く深い闇の中にいるのだろうな
怖いだろう
寂しいだろう
あいすまぬ
もう少しだけ我慢してくれ
純粋な笑顔が眩しかったんだ
他者を想う君の心は
誰のものより美しい
どうか、その宝を失わずに
願わくは
いま一度笑いかけてほしい
あぁ、儚い少女よ
君にこの声が届くなら
信じて待っていてくれ
拙僧が必ず
救ってみせるから――……
《後書き→》