ある日の西浦

□夏の思い出
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…夏になると、思い出すんだ。

今でも、はっきりと覚えてる。

だって。


三人で、遊んだの、楽しかったから。




あれは、確かまだ小学生の頃。

ギシギシソウから引っ越して、群馬にたまに遊びに行くようになってから。
その日も確か、修ちゃんとリューと知らない子逹と、野球して遊んだ。


暗くなってきて、ルリが迎えにきて、四人で帰った。

「なぁ、廉。お前明後日帰るんだろう?」


修ちゃんが、ぽつりと呟いた。

「うん。明後日のお昼に帰る。もうすぐ、夏休みも終わっちゃうし…」


修ちゃんの声色に吊られていつもよりちょっとちっちゃい声になった。
寂しかったせいもあったんだろう。

「じゃあ、さ。おれん家で花火しよーぜ。出来れば、今日。」

「…え?はなび〜!?や、やりたい!!…でも、何で、今日?」

「うんと、な?…明日は、帰りの支度とかすんだろ?だったらさ、今日の内が良いかなーって。…廉、今日…嫌?」

「や、じゃないっ!!!」


おれは修ちゃんの言葉に、首を横にぶんぶん振った。

「今日、やる!!!」


鼻から思いっきりフンッ!と息を吐くと、修ちゃんは一瞬、面食らった様な顔して、ブハッ!って笑った。

「よし!廉!今日の8時に家に来い。…ルリとリューには、ないしょ、な?」

「えーっ?なんで?」

「それは廉が来てからのお楽しみ〜♪」

「えぇー!気になる!」

「なになに?何の話?」


ルリがひそひそ話に気が付いて、話しかけてきた。

「お前にはナイショー。」

「えぇーっ!いーじゃん教えてよ!ケチ!」

「頼んだってダーメ。お前にはヒミツー。な、廉!」


修ちゃんが笑いかけてくれた事が嬉しくて

「うん!ひ、ひみつー!」


ルリに怒られても、何も言わなかった。










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