ある日の西浦
□お兄ちゃんだけど
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今日だけは、いいよね?
お兄ちゃんだけど。
*
キンッ。
「ナイバッチー!!」
スリーベースヒット。
それでも。
お母さんは。
*
「…あ。そういえば。…タカー。お母さんさ、明日の試合応援来れないから。」
「なんでー?」
「シュンちゃんが「分かった。あっそー。」
「タカ!!人の話は最後まで聞きなさい!!」
いーんだよ。
聞かなくても。
だって、聞かなくても分かるもん。
明日は。
「明日から、シュンもとうとう、リトルかぁー。早いなぁ。」
「おとうさん、ぼく、にぃちゃんに負けないくらい、がんばるからね!」
「んもう!シュンちゃん?明日だけだからね。お父さんもお母さんも付いていくのは。」
シュンが一人じゃ心細いってんで、二人ともシュンに付いていく事になった。
「……ごちそうさま…」
おれは、ご飯を食べ終わって自分の部屋に戻った。
途中で、お母さんがしっかり寝ろとか言っていた様な気がするけど。
そんな事知ったこっちゃない。
明日は、最後の公式の試合なのに、な。
明日は、強いトコとの試合なのに、な。
…負けるかも、しれないのに、な。
お父さんも、お母さんも、応援、しに来てくれないんだ。
…すねたってしかたない。
ガマンしよう。
…だって…おれは、“お兄ちゃん”なんだもん。
*