西浦流星群
□気が付かないで
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貴方の真っ直ぐな横顔が好きだから、どうか
気が付かないで
最近、日が落ちるのが早くなった事に気が付いた。
もう秋なんだなぁ。と目を細めた。
来週にテストを控えているため部活はない。
そのせいか、校内に人は疎らだった。
傾いた太陽が、教室を茜に染めた。
こんな日に日直なんかじゃなかったら、私だってもうとっくに帰っている。
オレンジの教室を眺めて、そう思った。
秋だな。
暖かいような寒いような、どちらでもないような、不思議な感覚。
心地よい温度。
あぁ。いけない。
日誌を書かなくちゃ。
…五時間目、は、えっと、何だった、かな?
いけない。駄目だよ。
そう思うのに。
私の意思とは裏腹に、瞼はそっと閉じてしまった。
*