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□空白メモリー
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好きだった、のかもしれない。
そんな曖昧な時間を俺はのんびり過ごした。
幸せで壊したくなくて
そっと隣にいてくれているあいつを傷つけたくなくて
そっと蓋をした。
そうやって圧迫していれば
油断しなければ、なんでも隠し通せる。


「火神君は馬鹿です
救いようのない馬鹿です」


彼は卒業の日に泣きながら叫んだ。
俺はアメリカにバスケに
黒子は体がついていけず普通に大学へ。
泣かせないよう、我慢したのに
あっさり彼は蓋をあけた。


「大好きだったのに!!
君が僕を見てくれたから世界があったのに!
君の、君の隣に僕じゃない
誰かが立つことが決定した世界に行くときに言うなんて!」


卑怯だ!
逃げだ!


泣き叫ぶ黒子。
そっと引き寄せてキスをする








「ごめん、あいしてる。

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