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□君が生まれた事に最大の感謝を
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「おめでとう」
その言葉が1番嬉しい日。



君が生まれた事に最大の感謝を

毎日寒い。
ぶるぶると震えながら通学路を歩く。
火神君は先に行ってしまったので
仕方なく一人。

「もう、急な用事なんてひどいです」

毎日ある隣の暖かい体温がないのは淋しい。
会ったら手刀ですね。
僕は静かに校門をくぐった。


「黒子!」

「火神君、おはようございます」

「んっ、じゃなくてこっち来いよ」

下駄箱でいち早く彼は僕を見つけだしてくれた。
影が薄い事は認めるから、見つけるのは大変なのに
彼はいとも簡単に僕を見つけだしてくれる。
とても、嬉しい。

「火神君?どこいくんですか?」

火神君は僕の手を握って、歩き始める。
一歩が大きい火神君に付いていくのは大変です。

体育館の裏まで来ると、火神君は僕を抱きしめた。

「火神君っ!?」

「ハッピーバースデー。おめでと黒子。」

僕の耳元で囁かれる祝福の言葉
低い甘い火神君の声。
寒さが吹っ飛び体中が暑くなる

嬉しい。

「なん、で?教えましたか?」

「教えてくれよ、黄瀬からのメールだよ、今回はあんちくしょうに感謝って訳。」

喋っている間も火神君は僕を離そうとしない。
僕は暖かい火神君の腕の中でポツリと呟いた。

「大好きです、大我」

「俺は愛してるっーの、テツヤ」

あぁ。幸せってこういう事を言うんですね。

「生まれて来てくれてサンキュー、」

恥ずかしい台詞と一緒にキスと指になにかをくれる
長い長いキスのあと、指を見ると、シンプルな指輪。
よく見ると、火神君の首にある指輪が一つ増えている。

「虫よけ。」

「っ!ありがとうございます」

二人はチャイムを無視して抱きしめあった。


end
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