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□俺の為だけに泣いてくれ
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「な、なんで泣いてるんだよ。」

俺の声だけが、やけに大きく黒子の部屋に響いた。


 俺の為だけにいてくれ


「おい、どうしたんだよ黒子。」

「うっぐ・・火神君。」

苦しそうに、悲しそうに黒子の嗚咽が響く。
俺はたまらず黒子を抱きしめた。
震えながら俺の服を握りしめている。
俺の頭の中では嫌な考えしか浮かばない。

青峰になにかされたか・・・?
嫌な夢でも見たんじゃないか・・・?

「黒子、黒子、大丈夫か?」

「・・・は・・っい。」

さすさすと優しく壊れ物を扱うように黒子の背中を撫でてやる。
しばらくすると、落ち着いたのか俺の胸に顔を押しつけて、俺の名前を呼んだ。

「で?どうしたんだよ」

「・・・それが・・・。」

主人公が健気なんです。

「・・・・ハ?」

俺の黒子への心配思考回路がシャットダウンする。
しゅ、主人公?

「も、もう一回。」

「だから、小説の主人公が健気なんです。」

俺は一気に脱力した。
すっげぇ心配したのに、こいつは小説読んで泣いていたらしい。
黒子がいうには。

黄瀬に勧められて携帯小説というのを読んでみたら
主人公の女の人が付き合っていた男性にいきなり捨てられショックを受けるけど
実はその男は病気持ちで1年後に死んじまって
主人公の女は彼の分精一杯いきるわ〜

みたいな話らしい。

「もっとまともに説明できないんですか?」

「できねぇな、てかありきたりすぎたろ。」

俺は黒子を自分の膝のうえにのせ、頭を撫でたり、キスを落としたりしながら楽しんでいる。

「・・・・ですか?」

「ん?もう一回。」

「・・・火神君は、僕を置いて行ったりしませんか?」

無表情を決め込んでいるが、瞳はユラユラ不安げに揺れている。
俺は可愛くて仕方ない黒子を力いっぱい抱きしめた。

「ちょ、苦しいで、す。」

「心配すんなばーか、俺はお前を手放す気ねぇーし、てかお前今めっちゃ可愛い。」

ポスンと優しく黒子をベッドへ押し倒す。

「泣くならさ、俺のことだけ考えて俺だけ見て俺の前だけで泣けよ。」

「・・・・大好きです。」

「おう、たーっぷり愛してやるよ。」

俺の前だけで泣けよ
拭う役目は俺だけのもんだ。

OK?
俺の可愛いお姫様。

end



DA☆BU☆N
でごめんなさい!
素晴らしい方々の小説の間にこんなのでごめんなさい!!
結城ちゃん、こんなんでよければ参加させてください!

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