novel・1(おお振り)
□映画
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あの惨劇(?)から数日後、田島は映画館の前に居た。
「おっせぇなぁー、花井達・・・・」
携帯の時計を見ながらチラチラと周囲を見渡す。数十分後。花井、三橋、阿部、水谷、栄口、泉、浜田の七人がやってきた。
「わりぃ田島。遅れた」
ぜーはーと肩で息をする花井に田島は少しだけ悪戯心が出たのだろう。
「おせぇよ花井ー。キスしなきゃ許さないからな」
「キ、キスって・・・・お、お前こんなとこで・・・・」
そっぽをむく田島に一瞬悩んだが、花井は腹をくくって頬にキスをすることにした。阿部が悔しそうな顔をしたが、この状況がすでに日常なため、栄口達は気にも止めない。(三橋を除く)
「へへっ・・・・花井のキスゲットッ!」
急にニッコリとした笑顔をみせる田島とは対照的に花井は真っ赤だったが、それも同じく気にしない。(三橋除く)
「お熱いとこ悪いんだけど早く中に入んない?そろそろ始まるよ?」
少しだけ黒ぎみな栄口の一言で全員、館内へ急ぐ。チケットをペアで4つ購入し、ジュースを買って中に入ろうとすると三橋が突如、「ぽ、ポップコーン買わなきゃ!」と言ったため阿部がダッシュで購入してきた。(三橋のためなら阿部はどこまででもいくのだ)
「三橋、席どこ?俺らB-21なんだけど」
期間限定の夕張メロンジュースを飲みながら泉が聞くと、ひょいと阿部が間に入ってきた。
「教えねぇー。ほら、三橋ポップコーン食うだろ?」
そう言って阿部はどこかに三橋を連れていった。
そんなこんなで結局みんな席がバラバラで別れてみることになったのであった。