novel・1(おお振り)

□映画
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映画はどんどんと進んでいく・・・・。この映画のメインであるライバル校との試合が行われていた。もう映画の終わりまで近い―――

栄口 勇人は待っていた。映画が楽しくないわけではないがとなりにいるクソレフト・・・・もとい恋人の水谷文貴が朝からモジモジとしているのは知っていたが、度胸と勇気のないヘタレな彼に栄口は内心焦っていた。

(さっきは言い過ぎたかなぁ・・・・でも文貴、度胸ないしなぁ・・・・・・しかたない。ここは許可してあげますか)

「文貴」

そう呼ばれて、水谷は半泣きの顔を上げた。

「なに?勇人」
「・・・・ちょっとだけならいいよ。じらしてゴメンね」

『いいよ』の一言に、水谷は泣き顔から一気に笑顔になった。

「ホントに?本当にいいんだね!?」

やったーと言いながら、水谷は栄口に抱きついた。
(まだまだ文貴は子供だなぁ・・・・まぁそこがカワイインだけど)

「あ、でも今、抱きついたよね?だから後は手を繋ぐだけね(笑)」
「え!?」
「後は帰ってからね」






時に恋愛とは博打の世界である。駆け引きが大切であり、決して深追いやひつこくはしてはいけない。さばさばとした関係もアリなのである。
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