novel・1(おお振り)

□映画
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★阿三side☆



三橋は憧れていた。この映画のなかのバッテリーに。ツンとしているが芯がしっかりとしたピッチャー、心優しく、ピッチャーやチームの事をきちんと考えて行動しているキャッチャー。いつかは自分と阿部がそんな関係になりたいと思っていた。

「あ、阿部くんとオレもいつかはこんな風になれるかな・・・・?」
「あぁ?この映画のピッチャーとキャッチャーの関係にか?もうなってんだろ」

その一言を聞いて真っ赤になる三橋。

「廉は嫌いか?俺のコト」
「ううんっ!!あ、あべ・・・・隆也くんの事は大好きだよ・・・・!」

首が取れそうな位に左右に振る三橋を見て、阿部は安心したように囁いた。

「今日は廉と一緒に映画みれてよかったよ。俺達はこの映画よりも両想いだよな?これからもずっと・・・・」
「・・・・・・うん」




映画館、真っ暗な場所だからこそ普段は聞けないことや出来ないことが出来る場所。互いの意識が高まり、互いを認め、互いをより深くできる場所
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