novel・1(おお振り)
□卒業という始まり
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「ありがとう、阿部くん」
慌ただしくも楽しかった三年間はあっという間に終わった。
修学旅行や体育祭に文化祭、色々な学校行事も数多くの厳しい試合もいい思い出になった。
三年間で変わった事?
あの挙動不審な三橋が少しずつマシになって今では俺とも普通に話せるようになった。
それと、小さかった田島がいつの間にか俺や花井にも劣らないくらい身長が伸びたこと。
俺はというと、あれほど嫌いだった元希さんとも以前のような関係に戻ったりしていて。
この西浦に来てよかったと思った。卒業というのは早いもんだ。
「これからもよろしくな、廉」