novel・2(バテリ)

□ただ貴方を
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「青波ッ!」


まただ―また倒れる。
もともと体の弱い僕。すぐに熱が出て、様々な病気が多発する僕は脆くそして儚い。そんなとき、貴方はすぐにそばにいる。


 僕の愛する人――兄


新田に来て、僕はかなり丈夫になった。兄に習って野球を始め、背も体もだいぶ大きくなったと思う。
そして数年が経ち、僕は中学生になった。兄は豪ちゃんと一緒に地元の高校に入学し、寮に入った。おかげで年に数回しか帰ってこないため少し寂しい。ママやおじいちゃんも心配みたいで手紙や電話がくると嬉しそうだ。

「さてと、そろそろ学校に行かないとな・・・・」

新田東の制服を着こなし、学校へ向かう。僕は結構、成績が良い(自分でいうのもだけどね)まぁ昔から本を読んだりするのは好きだったし。スポーツも得意だ。特に野球!こればかりは誰にも負けたくない。
授業が始まった。少しだけ寝よう・・・・昨日は予習とか宿題とかで忙しかったし・・

   「青波!」

親友の真晴達が教室の外から呼んでいた。いつの間にか本気で眠ってしまったようで放課後だった。慌てて鞄を持ってグラウンドへと向かう。


僕は今日もボールを投げる貴方といつか勝負するために―――愛すべき貴方と、また会う日まで僕は投げ続ける―――
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