novel・1(おお振り)

□檸檬のキミ
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放課後、西浦高校野球部の部室にてオメデト、と言われながら西広、水谷、栄口、花井などの部員達からプレゼントを貰った泉は少し困っていた。

(どーしよ・・・・鞄の中に入んねぇよ・・・・浜田から貰った小瓶とかもあるし・・・・)
「い、泉くんッ!」
「うおっ!?」

いきなり、背後から名前を呼ばれた泉は考え事をしていたので驚いて声を上げてしまった。いつもと全く逆だ。

「三橋!ど、どした?」

深呼吸をしたので落ち着きを取り戻した泉は平然を装って話した。

「あ、あのね、今日、泉くん、誕生日でしょ。だ、だから・・・・こ、コレ・・・・」

そういって渡されたのは箱。あ、紙の箱。大体大きさ的にはお皿が入るような箱。本当にお皿だったら不味いので、慎重に開けてみると中身はレモンパイだった。

「よ、よかったら二人で食べない?」
「ちょうど腹も空いてるしな・・・・食うか」

その後、二人はプレゼントの数々を自転車で泉の自宅まで運んだのであった。
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