novel・1(おお振り)
□曇心ときどき晴心
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夏の甲子園の四回戦
美承大狭山との試合で
――――――オレらの夏は終わっちまった―――――
どんどん点差が開いて
阿部がケガしちまって
三橋との即席バッテリーで
精一杯頑張ったけど
精一杯打ったけど
――――――負けちまった
試合が終わった後はみんな泣いてた。
三橋も栄口も西広も
みんな、みんな泣いてた
シガポは涙がストレスを発散させるって言ってた。
モモカンは今日の試合が総力戦だって言ってた。
でも、でもよ
阿部みてぇに三橋をうまくリードして投げさしてやれば勝てたんじゃないか?
あそこで巧く球を見切って、うまく打てばよかったんじゃないか・・・・?
ぐるぐると頭ん中を嫌な事考えて、ワケわかんなくなってくのが自分でも分かる、解った。
花井・・・・落ち込んでたなぁ。どうしたら元気になるだろ?