novel・1(おお振り)

□映画
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「あ、あった!!コレだよ俺が観たかったヤツ!ゲンミツにッ!」

いきなりパンフレットを指差す田島の大声が教室に響いた。

「どれどれ・・・あぁ、これか」

田島の指したパンフレットには青空のグラウンドに少年二人がボールとグラブを持ってキャッチボールをしている姿が写っていた。そこで水谷はとある小さな異変に気付いた。

「なぁ、泉」
「なに、水谷?」
「なんかパンフレットにマークが付いてるんだけど」

「あ、こ、これ浜ちゃんの字だ!」

パンフレットにはハートマークが三つ書かれており、“泉と行ってみたい”と小さく隅に書かれていた。もしかしてと思い、他のパンフレットも見てみると、☆や○などのマークが書き込まれており、そのパンフレットにも何やら文字が書かれてあった。

「栄口、水谷。浜田連れてきてくれねぇ?」
「「は、はいッ!!」」

にっこりと笑いながら言う泉に冷や汗を浮かべながら水谷と栄口は浜田を呼びに言った。三橋はぶるぶると震え、田島はいそいそとパンフレットで顔を隠していた。

「は、浜田さん・・・・泉が・・よ、呼んでるよ・・・・」
「おっ!やっと俺入れるのか?」

そう言うと、浜田はヘラヘラと笑いながら教室に入っていった。
少しして浜田の叫び声が聞こえたとか・・・・
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