novel・1(おお振り)

□嵐の夜に(※裏含み注意)
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「なぁ廉?」

三橋が頭を洗っている最中に田島がふと、聞いてきた。ちなみに二人だけの時は田島は廉と呼んでいる。

「うぇ?な、なに・・・・?」
「廉ってさー、いつオナニーしてんの?廉がするシーンが俺んなかじゃ浮かばないんだけど?」
「は、はぅぅ・・・・ま、まだしたことなぃ////」
「うっそッ!?マジで?よし、俺が教えてやるよ!ゲンミツになッ!」

ちょんとつつくと、三橋自身はすぐに天を向き、まっすぐになった。一方の田島はニヒヒと笑いながら手を巧みに動かしている。

「だ、だめ・・・・き、きもちいぃけど、で、でちゃうよぉぉ・・・・・・・・・」
「出してもいいぜ?廉のだったら汚れても構わねぇよ?それにここ風呂場だしな。洗えばいいしな」

手を上下に動かしながら、言葉巧みに三橋を誘導する田島は楽しそうだった。

「ゴメンっ廉!俺が悪かったから許して・・・・」
「い、イヤ!悠なんかキライ!」

風呂からあがった田島は三橋に手を付いて謝っていた。三橋はというと顔を真っ赤にしながらも膨れっ面でそっぽを向いている。
さらに事件は起きる。
先程、田島はなんと言っていたか、台風が来ていると言ったのだ。停電が発生して家は一面真っ暗。そのことに膨れっ面をして怒っていた三橋も、謝っていた田島も少しフリーズしてすぐにパニック。

「うわわわわッ!れ、廉何処だ!?」
「こ、ここだよッ後ろ」
「な、なんか明かり、灯り・・・・ハッ携帯ッ!」

そういうと、田島はポケットから携帯を取りだし、ライトをつけた。そのお陰で田島を中心とした一部分が明るくなる。

「と、とにかく灯りも着いたし、ローソクかなんかに火を付けてメシ食おーぜ・・・・なんかスゲー疲れた」
「そ、そうだね・・・・」

二人はいつの間にか笑いながらご飯の準備をしていた。しかしここで疑問が。
―いま食べようとしているカレー。このカレーはいつ準備されたものか。三橋の両親は約4日前に出かけたのである。その時はカレーなどは存在せず、ただ机の上に食事代として多少のお金が置いてあっただけである。昨日ふと、三橋が台所に行くと鍋の中にはぐつぐつと煮込んであったカレーがあった。天然三橋ちゃんはそのことになんの不思議も持たず、継ぎ足されていることにも気付かず、今日まで食べてきたのである。
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