唄のカケラ

□箱庭セラピー。
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親が、死んだ。
母さんの愛人と母さんを、めった刺しにしてから父さんは持ってた包丁で頸動脈を掻き切って自殺した。
気付いたら俺は、両親と赤の他人の血が散乱した部屋で、呆然と佇んでいた。
力が抜けてかくりと膝をついたら、床からびちゃりと嫌な音がした。
しばらくそうしていたら、急に後ろから強く抱きしめられた。

「睦月…!」

「…叔父さん」

「すまない…」

「どうして叔父さんが謝るの」

「俺の、せいなんだ」

「…誰のせいでもないよ」

浮気した母さんのせいでも、母さんを誘惑した浮気相手の男のせいでも、裏切られて殺人を犯してしまった父さんのせいでも…きっかけを作った叔父さんのせいでもない。
浮気相手の男は、母さんの弟である叔父さんの…親友だったんだけど。
でもこれは、誰のせいでもないんだ。
ただ一つわかるのは、俺は家族を失って独りぼっちになったってことだけ。
さぁ、これからどうしようか。



箱庭セラピー。



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