捧貰

□ハッピーライフの事情
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空は青くて、太陽は眩しくて。
そんなある晴れた日のできごと。







「んー…」

鳥の囀りで目が覚めて、上体を起こす。
ひとつ大きな欠伸をしてから、無造作に跳ねた髪を整えるべく立ち上がった。

くらりと軽い立ち眩みを覚えて、眩しすぎる朝日に目を細めた途端背中から聞こえてくる甲高い声。
そいつは「せーんせ!!」と俺の名前を呼ぶでもなく、背中に強烈なタックルをかましてきた。


「っ、花果……」
「おはよう!」
「――…、…はよ」
「?」


朝は低血圧の為にどうにも本調子がでない。
ぐらぐら揺れる頭を叩けば、
そんな俺を心配してか、背中に張り付いたままだった花果はよじよじと上へ上ってきたかと思うとその短い手で頭を軽く撫でてきた。


そのいつもながらの奇行に、思わず笑みがこぼれる。


「ありがとな、花果」
「げんきないから!」


元気がないわけでないのだが。
心中で苦笑して、昨晩の出来事を思い出す。
もともと低血圧ということもあるのだが、今日の寝起きの悪さはそれだけに限らなかった。

つまり、あれだ。
俺が不機嫌という事は、必ずあいつが絡んでくるというわけで。


「しーふーー!!!!」


…ほら、きた。


「師父師父!!俺の今日の朝ごはんどうなったか知りませんk」
ドゴォ!!!!!

…ぱたり。

朝からドタドタと騒音を立てて部屋に近づいてきた“あいつ”……
テンコウに向かって、頭にぶら下がっていた花果を投げてやれば、自然、テンコウの事が嫌いなのか花果は俺の思うとおりに奴に体当たりをしてくれた。
(先ほどとは比べ物にもならないくらいの威力で)

突然の出来事に驚いてか花果に突進されたのが効いたのか、床に這い蹲ったまま動かないテンコウ。
その間に戻ってきた花果に飴玉という最高のご褒美をあげてから、さっき俺がして貰ったように頭を撫でてやった。

これだから俺の言う事を聞く奴は可愛いんだ。
思い知ったかテンコウ。

なーんていう意味も含ませて。

とにかくこれはチャンスだとテンコウを跨いで部屋から出ようとしたら、そんなにうまくはいかないらしく。


「ひ、…」
「「?」」
「酷い……――師父ひどい!!!」
「はァ?」


がばあっ!という効果音でも付きそうな勢いでそいつは起き上がってきて、やっと静かになったと思ったのに今度はギャーギャーと喚き始めた。


「なんで俺にはいつもそうなんですか!!花果には優しいくせに!!俺はいらないんですかそうですか!!
そんな人だとは思いませんでしたよ師父の人でなしー!!ばかーあほー音痴ーっ!!」
「おいコラ最後の取り消せ」
「おっちね!」

ばこっ。

「ぎゃああああー!」
「うるっせェんだよ!!!俺が朝苦手なの知ってるだろ!」


どたばた どたばたどたばた。
がしゃん、ばりん。
ドガシャアアアア……




さまざまな効果音が飛び交う中、それを襖の向こう側で眺めていた羅漢と武夷は改めて一葉の怖さを知ったとか。



ハッピーライフの事情



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ていうか君ら覗き見なんてしてるんじゃありません!!な羅漢と武夷ですが気にしないでください←
というわけで、お待たせいたしました朱華様!!(汗)
ハイガクラかあまつきで、との事だったのでハイガクラにさせてもらいました…(すみませんすみません)
しかも遅れてしまって、更によくわかんない文章になってしまっていて本当に申し訳ないです;

書き直し喜んで受け付けます!
朱華様のみお持ち帰り可となっております。
では相互りくありがとうございました!

081213


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