D灰
□戦い続ける『ヒト』の中で、
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なんで…?
裏切るの?
オレを?
なんでだよ…
なんで、変わっちゃったの…?
ねぇ、なんで…
戦い続ける『ヒト』の中で、
「人間なんて低能な種族だ」
そういわれたとき、やっぱりあんたはオレなんだと
実感させられた
人間に失望している昔の自分
知らないほうがよかっただろう現実を目の前にして、もがき、足掻いている自分
「なんで変わっちゃったの?なんで…ずるいよ…」
「ラ、ビ…」
「オレは『ラビ』じゃないッ!」
「ラビ…」
「うるさい!違うって…」
涙を瞳にたくさん浮かべて
あんたは泣いた
ロードの夢世界で、消えかけてるオレは
それでも、あんたに伝えたい事があったから…
必死に口を動かす
「考えろ…なんで…だと思う…?」
「知らないッ!そんなのオレは知らないッ!」
「人間が…」
「やめろ!!」
「みんながみんな、ひどい訳じゃないって…気づいたから…」
「うるさいッ!ラビに何がわかる!人間なんか、何もできないくせに、戦ってすべて済ませようとしている!最低な種族さ!!!」
「あんたにもわかるよ…あんたは…オレだから…」
現実を突きつけるわけじゃない
ただ、本当にそうだとわかってもらいたかったから…
人間は、悪い奴等ばかりじゃないって
気づいてほしかったから…
「オレ等も…人間なんだよ…」
「違う!!オレは人間なんかじゃ…」
そこまで一気に紡いでた言葉が、途切れた
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