D灰

□確かなものが、なくたって
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愛してるのに…
オレだけを見ていてほしいのに……
なんでだよ…




確かなものが、なくたって…




「ラビ…」「何」
「は、…つめた〜」
「………」


今オレは、黒の教団内のラビの自室に居座っている

本当はラビに、ここ(教団)には危ないからくるなって言われてんだけど…(なにせ、オレは敵だからな)


好きな奴とは、ずっと一緒にいたいだろ?



そう、オレ達は恋人同士だ


その大事な恋人、「ラビ」が今…

あるものに夢中になっている


「なぁ、いつんなったら…」
「もうすぐさ」
「だぁからッ!!!そのもうすぐから、何分たってんの!!」
「しょうがないだろ!大事なコトが沢山書かれてるんだから!」


ラビは、ブックマンになるために本に夢中なってた

ラビの神経が、オレじゃなくて本に向いてるのが、なんとなく許せない


「む―」
「かわいこぶってもだぁめ!」
「ラビ様〜」
「執事ぶってもだめさ」


あ―…
手強い…
なぁ、本とオレ、どっちが好きなんだよ…


「ラビー」
「もーなんさッ!しつこ…」


顎を無理やりよせて、キスをしてやった


「むぅッ!!??」
「お仕置き…」
「な、なん…のさッ…ん…」


とぼけるつもりか?
本に夢中になって、オレの事なんか忘れてたくせに


だからオレも、夢中でラビにキスを送った


「やめ…やめるさ!!」


ドンッ!!


気づいたらオレは、ラビに突き飛ばされてて

情けなくも、床にしりもちをついてしまった


「ってぇ〜〜…」
「い、いきなりこーゆーことするか!?普通!!///」
「オレ普通じゃねーもんVv」
「〜ッ…///馬鹿ホームレス!!!」


頬を真っ赤に染めて怒鳴り散らしてくるラビが、たまらなく可愛くて…

オレは思わず、その細くて華奢な体を抱きしめた


「…!?…」
「ラビ…」
「あ、暑いんですけど…」
「関係ない」
「オレが困るんさ」
「やだね」
「こンの万年発情期野郎…」
「それで結構Vv」


…ラビの傍にいられるならね


「はぁー…ココ、エアコンないの知ってるさ?」
「うんVv」
「だったら早く離れて…」
「えー」
「暑いの!!!」
「オレは暖かいけどね」
「ッ!!!///」


そうやって顔を赤くしてるから、いじめたくなっちゃうんでしょーが
それくらい、気づけっての…


あぁ、でも…



でもオレ達は、敵だ






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