Sad murderous intent

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蘭が図書室を出ていった後、新一はその女子生徒の脈をとってみた。


「ないか…」


(腹の傷跡からみて刺し傷……状況的にみて自殺や事故の線はないな……となると、殺人事件……)




新一は改めて死体の顔をみた。

クラスメートだった。







ファンファンファン……

数十分後警察が到着した。




見知った刑事たちが続々とやって来た


「目暮警部!被害者の身元確認とれました!」

「おお、高木君!それで、どうだったのかね?」

「被害者は朝倉百合、17歳、この学校の生徒で、2年B組です。」

新一は目暮警部をみつけ、駆け寄る。


「目暮警部!」

「く、工藤君?!どうしてここに…あ、君はこの学校の生徒だったのか!」

「ええ……そして現場第一発見者であり、朝倉のクラスメートでした」

「何?!そ、そうか…それは残念だったな…ワシらが必ず犯人をつかまえるからな」

「はい……よろしくお願いします……」




(おそらく犯人はこの学校の生徒だ……それもオレの身近な人かもしれない……絶対につきとめてやる)






〜・〜・〜・〜・〜







新一は現場の図書室を見歩き、調べていた。





(こんなに本が荒れているということはずいぶん犯人とやりあったのか?……
ん?なんかこの本変だな…?)



床にちらばった大量の本の中で、死体の手のそばにあった英語の本が開いていて血がついていた。




(ページ数を表す数字に血がついてる……25ページの所だ……“25”?)

死体をよく見てみると、右手の中指でその25をなぞったのだとわかった。


しかもよくみるとそのページが上から下に向かって真っ二つに破れかかっている。



「まさか…これは……」



そのとき蘭が後ろから顔をのぞかせた。


「新一……何かわかった?」

「蘭?!オメー大丈夫なのか?」

「うん、私は平気……ねぇ、新一は犯人は誰だと思うの?」

「まだわからない…でもおそらくオレたちの身近な人だ……」

「…………」


蘭は何かものをいいたげな表情をしていた。


「ん?どした蘭?」

「あ、いや…なんでもないよ…がんばってね!」


「ああ…」
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