※ジン→ラグ前提のテルハクというかテルジンというかハクメンさんがハクメン未満。
※書いてる本人も途中で意味不になった曰く付き。
※一応ハクメンさんの中で図らずもテルミフラグたっちゃった的な小話かと。
月が嫌いだ。
全てを嘲笑い、全てを飲み込んで、全てを押し潰そうとする狂気の塊。
蛇は嫌いだ。
光る目、毒の牙、割れた舌、冷たい鱗を敷き詰めた長い体、その全てが凶器という存在。
今私の目の前にいるのはまさしく狂気であり凶器。月を孕んだ蛇。
蛇は今日も私の体に絡みついて離れない。
「光と影なんて陳腐な表現だけどよ」
「……」
「実際オレとハクメンちゃんはそういう関係なわけ。わかってんでしょ?ただ立ってる場所が背中合わせで見え方が違うだけ。本質は一緒」
「戯れ言を」
「ははっ、戯れ言っつーのはハクメンちゃんがいつも言ってることじゃん」
「何……」
「自分のことを悪を滅する剣とか言ってさぁ、笑っちゃうよなぁ」
チロチロとのぞく舌が首筋を這う。
おぞましい。汚らわしい。いやらしい。
「ただの刃は心なんか持っちゃいけないんだぜ?」
出来ることなら開いた口に刃を当ててそのまま二つに引き裂いてから皮を剥ぎ牙を抜き目を潰して炭にしたい。
「結局はさぁ、同じことの繰り返し」
しかし其れが叶わないからこそ終わらない地獄巡り。
尾を飲み込んだ蛇で出来た世界に私たちは存在する。
この世界が無くなってしまったら、私は、私は……。
「テメェはただ『兄さん』と終わらない追いかけっこをしてたいだけ。そのためだけに人間、辞めちまったんだろ?なぁ……」
毒の囁きで頭が溶ける。吐き気がこみ上げる口に『蛇』の指が無遠慮に入り込んで私の舌を掴んだ。
唾液を指に絡ませ、『蛇』は月のような笑顔を近づけた。
「ダンスのパートナー、間違えんなよ」
(人でなしと外道でワルツ)
認めてたまるものか。
この感情が同族嫌悪以上の何かだなんて。
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