「・・・・・・なーんてことが大昔にあったよなぁ」
「・・・・・・そんな記憶、私はしらない」

表情の読めない仮面の下はきっと苦虫を噛みつぶしたような顔をしているのだろう。
空気でわかる。
予想通りの反応に自然と頬が緩み、唇の端をつり上げて腹の底から笑う。

「ははっ、しらない?知らないで済む話なんだ、ひゃはっ、ひゃははははっ!!!大好きなお兄ちゃんの記憶を知らない、知らない、知らないぃぃぃ?・・・・・・いいねぇ、ホラ吹きの英雄様ってか?」


きっと今仮面の下で唇を噛んだ。奥歯を軋ませた。眉間に皺を寄せて眉をつり上げ目を細めた!
知らないはずがない。消えるはずがない。だってあのとき渡したアレはハザマではなく、この『オレ』が特別に仕込んだ薬。
いくらスサノヲユニットと融合し、ただの人間だった頃の記憶の殆どを失ったとて、あの記憶だけは消えないはず。
そう仕組んだのだ。

「最っ高のバースデープレゼントだったろぉ?」

醒めない夢、揺らがない幻、消えない記憶。
それらがコイツを永遠に苦しめる癒えることのない傷となっている。
それをコイツに刻み込んだのは紛れでもないオレ。

「さて、今度のプレゼントは何が欲しい?なぁ、ハクメンちゃん」

「貴様の命、否、貴様という存在の抹消だな」
「ひゃはっ、情熱的!いいね、イイねぇぇ・・・・・・」

殺気に満ちた言葉に思わず股間のものがいきりたちそうになり舌なめずりする。これだから悪いことは止められない。




V・凶器と狂喜の誕生日。







Happybirthday my sweet honey!!











こんなオチだけどおめでとう、ジン&ハクメン!

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