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□依存症
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思い通りにならなくて

うまくいかなくて

辛い悲しみが渦巻くこの世界で


君の想いと優しさが

俺のココロの均衡を保ってる


この小さな部屋に二人きり

今は何も考えなくていい


隣で規則正しい寝息を立てて眠る君を

汚したのは俺

もう戻れないように繋ぎ止めようとしたのは俺

俺だけを見て

お前が抱いたのは誰?


お前の相槌だけを望んでる

俺は今日はじめて命の音を聞いた







「幸村、身体は大丈夫か?」

「なんだ起きてたの?おはよう、大丈夫だよ」

「そうか、済まない」

「謝るなよ」

「………ああ」

「好きだからしたんだろ?」

「幸村…」

「…ふっ………ん、ん…はっ……さなだ、きす、うまくなった」

「………」

「ふふっ、お返し」

「…ん…………」

「っは、……ねぇ俺もうまくなったでしょ?」

「……たわけが」

「ははは!真田、顔が真っ赤だ!」

「そ、そんな事はない!」

「……さなだ、もっかいしよ」

「えっ……しかし……っ!」

「…俺達は、俺は、間違ってないよね」

「幸村?」

「するときは "せいいち" ね」

「せい、いち……」







孤独が付き纏う

何かに押し潰されそうな

先が見えないこの現実で


お前の笑顔と暖かさが

俺のキモチの均衡を保っている


この真っ暗な部屋に二人だけ

お前は今、何を考えている?


隣で息を潜めて泣きそうに震えるお前を

穢すのは俺

消えて無くならないように跡を残そうとするのは俺

お前しか見えなくなってしまった

俺が抱いたのはお前


お前の鼓動だけを求めている

俺は今日はじめて命の音を聞く






end.



thanks♪ 椎名/林檎 "依存症"


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