memo

□片端綴り1
1ページ/1ページ

片端綴り (かたわつづり)
※注意※何やら微えろが所々含まれてます。
シリアスめで後ろ暗い感じです。
総悟が土方スキー設定。
どぞ↓










年端も行かぬうちから人を斬って、それは食べる為に斬る訳でもないのだけれど。
太陽のように大切な人のもとでこの道に生きると決めた以上、餓鬼の癖にそれなりに人生のことは酸いも甘いも大よそ噛み分けたつもりでいた。

だけれども、あの日あの白いベッドの上で最期に微笑んだあの人を想うと。
この世にはこれ程までに、苦しく哀しい痛みがあるのだと。
心底思い知らされた。


己が信じることの為とは云ってみても、人を殺める剣などを誰が喜ぶというのか。
一つの命の散り際で、それでも貴方は“振り返るな”と身をもって馬鹿な弟に教えを諭す。
決して長いとは云えないその一生の中で、まるでこの俺を自らの誉れの如く囁いて。

そして女の幸せを味わう事も無く、
好いた男に一度も抱かれること無く逝ったであろうその人を、不憫に思いつつも羨ましく思った。



これは裏切りに値するのだろうか。


互いの心が伴わないものであったとしても、
それはその対象に成り得るのだろうか。






天井に向いてむくり立ち上がる中心からとろりと蜜が溢れ出す。
少し開いた膝にその節くれだった手を掛けて更にぐいと股を開かせると、根元近くの肌へきつく吸い付きチクリとした痛みを点々と与えられる。

こうして肌を重ねるごとに付けられるその徴は、幾日もすれば何事も無かったかのように消えてしまうものだった。

節くれ立った指がゆるゆると意思を持ってそそり立つそれを扱いてみせては、先端から滲み出る透明な液体を親指で擦って周りに馴染ませていくのが分かった。

太腿の付け根近くを這っていた口許が、次は左右に配置された柔らかい球をそれぞれ交互に含ませて、これまたゆうるりと舌でねぶられる。


「ふっ、・・・・――」


舌の動きも手の動きも決定的な刺激を与えられるには程遠く、来ると思ったらまた外されて快楽の波を掴めそうで掴めない。

それでも萎えないくらいまでには耐えず舌や指の感触が這いずり回り、途切れ途切れの快楽が背骨に駆け上がっていく。
そしてその男は次はちろちろと蕾辺りを舐め回し、いろいろな処から溢れ出てくる体液をそれこそ愉しんでいるかのように思えた。


自室で部下の下半身を執拗に舐め回す男は、スカーフは首から外したものの隊服を着込んだままだ。
それもその筈、今は勤務中の真昼間だった。
他の隊士達は夜勤以外の者は殆ど出払っていて、屯所内は通常より静かだ。

男が隊服を着込んでいるというのに、それに引き換え組み敷かれる状態の自分は既に殆どの隊服を剥ぎ取られ、薄い白シャツを両腕に通すだけの格好をしていた。

そして上司相手に股を開き仰向けになってから、随分時間が経っている。


「−・・・いつまで、待たせやがんで・・・、
しつこい男は嫌われやすぜ」

下腹部の黒髪をちらと眺めて、今日は二人して巡回中だった筈なのにと、束の間余所事が心中をよぎると男の声が聴こえた。


「なあお前、オンナ抱いてみろよ」

今更ながらのその言葉に呆れもするが、今ここで云うその真意は何かと妙に気持ちがざわついた。
投げられた言葉に返答もせず黙っていると、男はその顔をこちらに見せる訳でもなく念入りなその行為を続けた。

近くに置いたそれ用のボトルからぬめりとした液体を取り出し、少し温めるように掌を擦り合わせる。
そして開いたままの股の中心や後ろにその体温で馴染ませるようゆっくりと塗り込めていく。


「近藤さんが
お前に今度花街で女抱かせろって」


特に期待してもいないこの関係は、自分からの誘いで始まった。

それはあの人が逝ってからのことで。

何故それに目の前の男が応じたのか、似ていると云われたことは一度も無いが、自分の裸体を前に勃起した男を見て。
あの人と同じような素材を持ったこの器を思うと、何となく解るような気もした。


「武士たるもの色事のひとつも知らねーまま
死なれちゃカワイソウだとよ。
全くあの人はとんだ過保護だな」


数本の指を体内にめり込ませて、仕方無さそうに笑いながらそんな事を吐くその口を、塞いでしまいたいと思った。


俺はこの人のことが、もうずっと前から好きだった。







20101003
7月終りに書いてた文を見っけました。
時間ある時続き書きたいナァ

書きました→2どぞ


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ