memo
□暗雲垂れ込めり
1ページ/1ページ
※注意※3z?一応軽い?えろ表現あり・・・&激短。すんませっ↓どぞ。
無理、無理、もー無理って思ったら、
「イきそ」
っつって見せる顔が想像以上にえろくって、そんな顔見て俺はイっちまったなんて言ったら、
アンタきっとひくかもね。
アンタはさ、
こーゆーの
何て云うのか知ってんの。
聞いてもいない授業がいつの間にか終わってて、さっさとチャリに跨って校門を後にして。
今日は誰かさんとは口きいてねーやなんてつまんねーこと思ったら、後ろからそのつまんねー元凶の声がした。
「オイっ!先帰ることねーだろ。
職員室寄ってくっから待ってろっつっただろーがよ」
「あれィ?珍しいや、今日はお独り様じゃねーですかい」
「一人じゃいけねーかよ、つか今日は一緒に帰るっつったろ」
「俺ァ聞いてやせんぜ」
「おめー、アナリツの爪の垢でも煎じて飲みやがれ」
「はァー??」
「土手いこーぜ」
そう云って会話にもなってない会話をして、追い抜かしざまに「別れた」って声が聴こえた。
わかれた
わかれたわかれたおんなとわかれた
ワリィけど、それは特に伝えられても意味の無い単語の一つに入れてある。
そんな思考もお構い無しに足が勝手にペダル漕いで、土手沿いの道をチャリンコぶっ飛ばして先を行くソイツの背中を追っていく。
身体中に風をグングン浴びて、周りの景色どんどん追い越して。
いつもの辺りで道を外れ、土手の斜面を猛スピードで転がるように輪っかを滑らせた。
そうして高い草に紛れ、人目も避けた場所まで勢い込んで突っ込むと、身体を緑の上に思い切り良く投げ捨てる。
倒れてまだシャーと車輪の回る音が聴こえる中、草の上大の字になって暫くぶりに空を見たら。
暗雲垂れ込めり。
「あっちーな」
「フラれてやんの」
「ばーか、振ったのは俺だ」
「だっせ」
面白くも無いのにダハハなんて笑い合って。
まだ息も切れる中互いの学ランのボタン外したり、ベルトにかちゃかちゃ手を掛けてみたり。
ジッパー下ろして向き合って、膝立ちしたらあとは視界を遮断すれば準備オッケー。
ついでに○組の××はデカちちだとか、××はやり○んだとか、ほんとどーでもいー話ケラケラしながらゆるゆる時間が始まって。
「アンタえろ本なくてもいーわけ」
なんていつものセリフも吐いてみて。
暗転の中、草のにおい。
風のにおい。
湿った空のにおいが襲ってくる。
一応そこにアンタのにおいも加えといてやる。
そんなコト考えて犬みたいに二人してはぁはぁする頃には、脳味噌の中も一面真っ白で。
次目開けたらやたら近いアンタの顔が目の前すぐを覆うから。
試しに口突き出してみせたら、斜め上から重なった。
無理無理もー無理っていうくらい、鼓動も呼吸も背骨にまで一気に駆け上がれば。
そんな言葉とヒワイなその顔が焼き付いてしまって。
あとはもう暗雲の中、相手の手の感触と海綿体のことだけを考える。
二人分の精子を緑の上に同時に撥ね飛ばしたら、ぽつりぽつり空から雨粒が落ちてきた。
草のにおいに風のにおい。
雨のにおいと、アンタのにおい。
仕舞いどころが分からない。
あんうんたれこめり。
「総悟、帰ろーぜ」
シャツを直しベルトを締めると、いよいよ雨粒も本降りになって。
チャリを引いてその雫を避けるように、土手を駆け上がる黒い学ランを目で追いながら。
そーゆうのも嫌いじゃねぇのかもと、
今更ながら気が付いた。
20101009
雨降りだったのでいつもの如くグレー一色。
そんな感じで。