小説@「悪の物語」
□花畑
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(今、こうして過去を振り返ってみると悲しいなぁ。
僕が、こうして生きていられたのは使用人のおかげ。
あの時から、母とは一度も話していない。
いや・・・・。
離すことすらできないんだけど)
双子の弟、レンは一人ポツンと座っていた。
黄色の髪をひとまとめにしている。
トコトコ・・・。
「ん・・・?」
後ろから足音がしたので振り返ってみると
「レーーーーーーーン!!!!!」
ぎゅむッ
「うわぁ!!」
一人の少女が
レンと同じ黄色の髪を揺らしながら突進してきた。
「り・・・リン姉さん。」
「レン。どこ行ってたの?」
彼女はレンの双子の姉、リンである。
大きい白いリボンのついたカチューシャをつけている。
「早く来て!!レンに見せたいものがあるの!!」
「どこに??」
「お花畑だよ!!」
(なんだろう・・・。)
レンは不安と喜びが混じったまま花畑に向かった。